自称、頭脳明晰才色兼備の滝夜叉。
いろんな学年の生徒に鬱陶しがられているのに、本人は全く気が付いていないようだ。
そんな滝夜叉丸と付き合い始めて数週間経ったある日、滝夜叉丸の部屋に、きり丸はお呼ばれした。

「お邪魔します」
「きり丸、よく来てくれたな」

と、言ったきり、滝夜叉丸は落ち着かない様子で、もじもじしている。

「どうしたんすか?人を呼んでおいてさっきからもじもじしてばかりで」
「いや、あのな、私達、恋人になってもう二週間も経ったのに、まだ恋人らしいことを一つもしていないと思はないか?」
「そう言われてみれば確かにそうですけど…ぼく、その"恋人らしいこと"っていうのがイマイチわからないんですが」
「う〜ん、そうだったのか、私はてっきりそういうことをきり丸が望んでいないのかとばかり…」

先ほどまで珍しく暗かった、滝夜叉丸の表情が一変する。

「だから、"そういうこと"がなんなのかすらそもそもわからな――」
「よし!では折角だから今日は"恋人らしいこと"を二人でじっくりしてみようではないか!」
「、ちょっと、ぼくの話、聞いてます?」

滝夜叉丸に両手を握られ、ばちりと音がしそうなほどに視線を合わせられる。

「な、なんですかいったい、んっ」

「――――ッ!」

突然唇を塞がれて、きり丸はこれ以上ないほど赤面した。
初めての口付けがあまりにも唐突すぎたのだ。

言葉を失っていると、二度、三度と、触れるだけの口付けが降ってくる。

「っ、やめ…」
「嫌か?可愛いぞ…きり丸」
「////」

頬や額、首筋にまでも口付けをされ、すっかり力が抜けてしまった。
甘すぎるその行為にドキドキと心拍数がありえないくらい上がっている。

「へん、たい…///」
「なっ…心外だぞきり丸、私はお前をとても愛しているから、出来る限り優しくだなあ」
「ハイハイ、もう、わかりましたよ!よくそんな恥ずかしいこと平気で言えますね」
「きり丸は私の事を愛していないのか?」
「、……」

照れ隠しとはいえ、きり丸の冷たい態度に半泣きになった滝夜叉丸に、きり丸は困ってしまって、滝夜叉丸の頬に唇を押し付けた。
不器用な精一杯の愛情表現に、滝夜叉丸はきり丸を強く強く抱きしめるのであった。

ゆっくりと時間をかけて『恋人らしく』なっていけばいいか、と微笑んで。









***

大変長らくお待たせいたしました!!
リクエストいただきました「滝きり」でございます!

甘い甘すぎる〜

夏那祈は滝夜叉丸が一方的にきり丸大好きな滝きりが好きだったりします。

滝きり少ないのでリクエストしていただけて本当にうれしかったです!
ありがとうございました〜!






2014.12.12














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