「銀さんはすきですか?」

新八のその台詞が俺の頭をぐるぐるぐるぐる、うんざりしないのが不思議なくらい無限にループし続けていた。

その台詞は、さっきまで二人でだらだら観いてたお昼の顔、『笑ってよきかな』にゲスト出演していた今注目の新人女優を観て、新八が俺に投げ掛けただけの台詞であって、それ以上でもそれ以下でもなく、ただただ、俺がその女優を好きか嫌いかを訪ねただけのごくありふれた日常会話であるんだが、

(銀さんはすきですか?)

ソファーに座る俺達の距離は約十センチ。

上目遣いに首を傾げて訪ねて来た新八の表情がいつもより頼りなく観えたのは多分気のせいなんかじゃなくて、

そんな面で訊かれたら、そりゃあもう、「銀さんは、僕よりこの女優さんの方がすきですか…?」って不安がってるようにしか受け止められねぇじゃねえか…!

ったく、本当にあいつは無自覚でああいうことをやってのけるから厄介なんだ。

銀さんがうっかり変なことしちゃったらどうすんの?!って感じだぜ。

勘弁してくれよ、新八クン。

「銀さ〜ん?いつまでトイレ入ってんですか? あっ、もしかして戸棚に入れてたお饅頭食べました? あれ一ヶ月も賞味期限切れてたのに! ちょっと訊いてます? 銀さん、大丈夫ですか?」
「言っとくけどなぁ新八ぃ。銀さん全然下痢じゃないから。全然あたってないから!」
「いや、その反応確実にあたってんだろ! ちょっと本当に大丈夫ですか? テーブルに正露丸置いときますんで後でちゃんと飲んで下さいよー?」
「その母ちゃんみたいな台詞やめてくんないかな? 恥ずかしいんですけど!」
「なに言ってんですか。僕はあんたがちゃんとしてないから―――」

新八、今銀さん、お前の声聴くのも顔観るのも、ホントにやばいから、俺の腹の心配してないではやく買い物行って来て!






20110412

久しぶりの銀新がグダグダですみません!

駄目な銀さんもすき。





 
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