とうに忘れてきた背骨
捻くれた芯
砂糖菓子の味がする
わたし、
まっすぐでいたかった
美しいという奇形
あの娘の骨はサーカスの檻に
捻ているから折れないはずの芯
それでも
まっすぐでいたかった
砂糖菓子は甘いのかしら それとも
あの娘が言ったように鹹いのかしら
そこにはもう無いけれど
呪いの言葉で
愛を囁く、わたしは
軟体の脊椎動物
化物の残骸
砂糖菓子は、嫌い
まっすぐでいたかった
サーカスがはじまる
噫、骨だ
忘れたかった 背骨だ
Scardellini:死者の日に食べられる砂糖とアーモンドのマジパンで作られたシチリアのお菓子。異常に硬い。死者の骨。
散文詩:Scardellini - back