駆け引きすらまともに出来ない



ぬるいですがR18 18歳未満の方はご遠慮ください。
本日は嫉妬の日ということで。


「ちょっと!なんなのいきなり!」
「うっせえ!黙ってろ!」

いきなり部屋に押し掛けてきたシズちゃんは、リビングにいた俺を抱えるとそのまま寝室に入り、ベッドへと放りなげた。
意味がわからない。

わかるのはシズちゃんがものすごく怒っていることと、俺がこれからされるだろうことだけだ。


綺麗に敷かれていたシーツに皴が寄る。
頭を軽く打った俺は、反射的に起き上がろうとしたが無理だった。シズちゃんが俺にのしかかってきたからだ。
「シズちゃん?どうしたの?なに怒ってるの?」
「……黙ってろって言っただろうが」
聞いたこともないくらい怒りに満ちた声。合わせてくれない目。俺何かした?
いつものようにからかって、池袋に来るなって言われて、そんなことなら日常茶飯事なのに。
それでもこんなに怒らせたことはなかった。

「し、ずちゃん…」
「……」
もはや返事すら返ってこなくなって、俺は泣きたくなった。
シズちゃんの手は俺のズボンのベルトを引きちぎるようにはずし、あっという間に中へと侵入してきた。
恐怖と不安から萎縮しきった俺のを、痛いくらいの力で上下にしごきだす。

「やっしずちゃん!やめっ!いたい」
「……」
できる限りの力で抵抗したが、全てを封じられた。
もとから、力でシズちゃんに敵うはずはない。
それでもとシズちゃんの背中を両手で何度もたたいていると、返ってきたのはうぜぇという小さな呟きと、頭上にひとまとめにされて拘束という結果だけだった。

「おとなしくしてろよ。感じてるんだろ、淫乱が」
シズちゃんに耳元でささやかれ、体がびくっとはねる。
無理やりされているくせに、シズちゃんになれた俺のカラダは、シズちゃんに触られているというだけで反応してしまう。
部屋中にぐちゅぐちゅという音が響いて、体中が熱くなるのがわかった。
淫乱、なんて言われて悔しくて悲しいけど、何の言い訳もできない。

シズちゃんの長い指が俺の先をぐりぐりとするたび、新しい白濁が溢れるようにでてくる。
爪を立てられ、白濁を塗りつけるように触られると、気持ちがよくて何も考えられない。
「あっ!やあっ!しずちゃ、もだめっ出ちゃう、から」
女の子みたいな高い声でひっきりなしに出る喘ぎ声の間からでも、なんとか俺の言いたいことは分かってもらえただろう。
上下にこすり上げる手の動きが一層早くなる。
部屋にはぐちゅぐちゅという水音と、俺の矯声だけが響く。
シズちゃんからは一切声が出ることはなかった。
それがとにかく悲しかった。
でも、もう限界だった。
「あっんんっああああっ!!」
頭の中が真っ白になって、俺はあっけなくイってしまった。
目から流れ出た液体は、決して生理的なものだけではなかった。



「わりぃ」

俺があまりの出来事に頭がついていかずぐったりとしていると、シズちゃんが要約言葉を発した。
先ほどまでとは打って変わって、罰の悪そうな、反省したような顔。

「謝罪はもうどうでもいいよ。なんでこんなことしたの」
謝ってもらっても仕方ない。理由が知りたいのだ、俺は。
なんでこんなに怒っていたのか。
どうして俺は、無理やりやられたのか。

「お前、今日池袋に来てただろ」
「ああ、まぁ…それが?」
「年上の、綺麗な女とあるってた、だろ」
「女…?まさか波江さんのこと?」
「だれだよ、波江って」
まるで子供のように拗ねたシズちゃんを見て、全てがつながった。
そういうことか。
シズちゃんは、俺と波江さんが歩いているのを見て、いらない想像をしちゃったわけだ。
「シズちゃん、それってやきもち?」
「…っ!うっせえ!言うな!俺だって情けねえとは思ってんだよ!」
怒りにまかせてこんなことしちまうし…と眉毛をさげてしょんぼりとしている姿は、まるで母親に怒られた子供だ。
といっても、俺は母親になってなってやるつもりはないけど。
ベッドのふちに座っていたシズちゃんを背中から抱きしめると、シズちゃんの方がびくっとはねる。

「馬鹿だねシズちゃん。波江さんは俺の秘書。彼女は最愛の弟くん以外興味ないから、やきもちなんてする必要ないんだよ」
「なら、いいんだけどよ。余計な心配させんな」
そう言って腰に回った俺の手をそっと取る。
ようやくちゃんと触れてもらえたことに、心の底から安堵した。
さっきの、話してももらえない。目を見てももらえない状態に、俺は相当まいっていたようだ。

「シズちゃん、俺すごい怖かった」
「…悪かったよ。もう二度としねぇから」
「嫌われたのかと思った。悲しかった。だからさ」

そう言っておねだりした俺のくちびるに、希望通りシズちゃんの唇がそっと落ちてきた。




初R指定です。エロ難しい。
精進します…!



title by stardust