love kingdom2 *2人で夢と魔法の王国に行ったらという妄想 *会話文多め。 【ビッ●サンダーマウ●テンに乗ってみよう】 「よーし、次は絶叫乗ろう!」 「…絶叫」 「え?もしかしてー、シズちゃん絶叫苦手、とか?」 「…んなわけねぇだろ」 んなわけねぇとか言われても、目が泳いでいるんですけど。 なんか手をすごい力で握りしめてるんですけど。 「いや、別に乗らなくてもいいんだよ?」 「行くぞ!」 そう言ってシズちゃんは長い列へと飛び込んで行った。 「シズちゃん、大丈夫?」 「…なん、とか」 トロッコから降りたシズちゃんは、なんというかもうボロボロだった。 足がふらふらしている。 あんな強靭な体しているのに、絶叫がだめなんて可愛いねぇ。 途中から声も出さなくて気絶したのかと思ったよ。 まぁ気絶した方が、本人としてはよかったのかもしれないが。 「情けねぇ…」 「まあ苦手な人は苦手だからねぇ」 「でもお前、こういうの好きなんだろ…?」 「好きだけど?」 確かに好きだけど、シズちゃんが乗れないのに無理やり乗せようとは思わない。 それより沢山遊びたいし! 「お前の好きなもん一緒に乗れねぇのは、つまんねーな」 「シズちゃん…!」 やばい、いま俺すっごい萌えた…!! 【ホー●テッドマンションに乗ってみよう】 「これは絶叫じゃないから大丈夫だよ」 「お化け屋敷かぁ」 おどろおどろ装飾が壁中にちりばめられていて、シズちゃんはずっときょろきょろしていた。 さすがに怖いということではないらしい。 まさか、自分の家もこうしたいって言うんじゃないだろうな… 「んなわけあるか、ほら順番来たぞ」 「え、あぁ今乗る」 いつの間にか声に出していたらしい。 シズちゃんに促されてマシンに乗りこむ。 たくさんのお化けたちが目の前を飛んでいる。 どうやって演出しているのか不思議だ。 シズちゃんも面白そうに身を乗り出して見ていた。 その時。 マシンが半回転して背中から坂道を下り始めた。 身を乗り出していたシズちゃんは、回転と重力によってバランスを崩した。 「うわっ!」 「わっ!!」 気づくとシズちゃんが俺に覆いかぶさっている。 「…しず、ちゃん」 「いざ、や」 わりぃと身を引こうとするシズちゃんの手を握る。 「ね、暗いからちょっとだけ…?」 それから、全く周りの幽霊たちは目に入らなかった。 |