何だかんだ言っても、やっぱり好きなんでしょ?



熱すぎる一時を過ごした俺たちは、後始末も終えてベッドに横になっていた。
「しず、ちゃん?」
「気がついたか」

激しすぎる行為に気を失っていた臨也が、ゆっくりと起き上がった。
が。

「いたっ!」
「無理すんな。明日は1日寝てろ」
さすがに無理させた自覚はあるから、腰をさすってやった。
明日は多分1日中つらいだろうから、何もしないで寝てていいと。
そう言ってやったのに。

「だめだよシズちゃん。朝ごはん作って、掃除して洗濯して、やることいっぱいあるんだよー?」
「俺んちの家事なんだから、無理してお前がやることねぇだろ?大人しくしてろよ」
「だめだーめ!シズちゃん何にもできないくせに。だいたい明日着る洋服だって、アイロンしてないじゃんか」
「……」

あーうっせぇうっせぇ!
せっかく人が心配してやってんのに、なんでこいつは素直に聞かねぇんだ。
俺のためなのは嬉しいけどよ、無理してほしくないだけなんだけどな。

「シズちゃん、俺、迷惑だった?」
不安げな目で見上げられると、こっちが折れるしかない。
こいつは卑怯だ!

「迷惑じゃねーよ。ったく、少しは俺の言うことも聞いてくれっつーの」
「でも、何だかんだ言っても、俺のことやっぱり好きなんでしょ?」

にっこり笑った顔は、ノーと言われることなんてないという、絶対の自信。
あーうぜえ!本当にうぜえ!
だけど。
「好きじゃなかったら、一緒になんていねぇよ」

幸せそうに笑ったあいつを見ると、この新婚ごっこをごっこじゃなくしてもいいかもと、思ってしまうのだった。