ときレス | ナノ


きみのせいだよ(音羽・裏/ヤンデレ注意)

大丈夫。誰にも気付かれなかったはず。
いつもだったら面倒なことだって、
1回きりだと思えばなんてことない。

彼女に無理を言って寮に来て貰ったのも、この為だ。

「痛くない?ちょっときつかった?」
「………」

答えない。

答えられない、かな?

その声は、外に出されることなく口内に留まってしまう。
大声を出してもくぐもったうめき声が漏れるだけ。

細くねじったタオルを噛まされた彼女は涙目で僕を見ている。
タオルは、彼女の小さい口を無理矢理開いて挟み込み、後頭部でしっかりと結んだ。
痛くない?って訊いたのはこれのこと。

「そんな風に熱く見つめられちゃ照れるな」
くすくすと笑うと、きみは首を左右に振る。
どうしたの?
やっぱりタオル、きついかな?

「それとも、痛いのはこっち?」

柵状のヘッドボード。
棒と棒の間を通した手錠を、きみの両手に嵌めた。
万歳した格好。
僕がこうして馬乗りになったら、もう動けないね。

まるで身体を捧げられているかのような姿に、
興奮を抑えられない。
生贄に捧げられた乙女の純潔を散らす、背徳的行為を想像しては胸を躍らせている。

きみが手首を強引に動かすたびに、手錠についている鎖と、ヘッドボードの柵が擦れ合って、がちゃがちゃと金属音が響いた。
折れそうに細くて白い手首と手錠も擦れ合って…だめだめ、そんなに強く動かしたら傷が付いちゃうよ。

僕はその手首をぐっと押さえつけ、首を左右に振る。
さっき、きみがしたみたいに。

彼女は動きを止めてまた僕をまっすぐ見つめる。
瞳に溢れた涙が一筋、白い頬を伝い下りていく。
ちゃんと僕の言いたいことがわかってくれたんだね。

いいこ、いいこ。

嬉しくなって、つややかな髪を優しく撫でる。
それでもきみは怯える表情を崩さない。

「ハァ…。ごめんね、どっちも外すわけにはいかないんだ」

だってきみ、逃げるでしょ?



彼からきみのことを聞かされたのはつい先日だった。

ー彼女と付き合ってるんだ。

そう、照れくさそうに言ってきた彼から悪意は感じられなかった。
全員で決めたあのルールのせいで誰にも言えなかったからこそ、こっそりと僕に言ったんだろう。
よく言われるんだ。無害そうだって。

ダメもとで告白したらOK貰えたって。
1回は断られたんだけど、どうしても付き合いたくて、何度も告白したって言ってた。

何度目かの告白でようやく彼女は頷いたらしい。

どうして。
ねぇ、どうして?

今までの関係を続けていけたらってずっと思ってた。
きみは誰に対しても優しい。
僕たちアイドルに対しても、他のお客さんに対しても、同じように優しく接してくれる。

だから、このままでいいって思ってたんだ。
この心地よい関係を壊したくないから。
お店に行けばいつでもそこにはきみがいて、
笑いかけてくれて、美味しい料理を作ってくれて、心も身体も満たされた。

それでよかったんだ。
きみが、特別な誰かのものにならなければ。

それなのに…。



「考えるだけで苦しくなるんだ。きみの髪に、頬に、身体に、僕じゃない誰かの手が触れるなんて」

ベッドに横たえられて動けない彼女は震えながら、僕の声に耳を澄ましている。
僕はそんな彼女の腰に跨って、怯えている姿をじっと見つめていた。

ねぇ、いま僕、幸せなんだ。
自分でもびっくりするくらい。

だってきみは僕の言葉、動きひとつに敏感になっていて、僕から一秒たりとも目を離さないでしょ?
こんなのいつもだったらあり得ないよね。
密着した腰が徐々に熱くなってきて、ひとつため息を吐いた。

「だからきみをここに閉じ込めるよ。これでずっと一緒」
にっこりと笑うと、彼女の瞳が見開かれる。ひとつ、ふたつ、涙が零れてはシーツに痕をつけた。
タオルからときおり漏れる声がちょっとだけ苦しそうで、胸が痛む。
はずしてあげたいけどダメなんだ。

もう少し我慢して。
気にならなくなるくらいぐちゃぐちゃにしてあげるから。

「ずっと触れたいと思ってた。きみはずるいよね、いつも僕のことなでたりつついたり」
口を尖らせる。でもあれ、すっごく気持ちいいんだ。
ずっとしてて欲しいのにきみは気まぐれだからすぐ他のところに行ってしまう。

気まぐれじゃなくて、優しいから、かな。

「だからね、きみのことも気持ちよくしてあげるね?」

上着を脱いで、傍らに落とす。
きみはその様子をじっと見つめている。

「目、瞑っていいよ?それとも気になる?僕のハダカ」
言えば、きみは慌てて目を瞑る。ああ、また涙が零れちゃうね。

上半身を曲げて、きみのまつ毛に唇を寄せて、滲む涙を舐め取る。

「しょっぱい」

しっとりと濡れたまつ毛は震えていて、可哀相になる。

「ひどいことしないから。そんなに怖がらないで」
ただきみを気持ちよくしてあげたいだけなんだ。

瞼に口づけた後、そのまま唇を滑らせ耳に向かう。
外側にそっと歯を立てて、口を開けた隙間から舌を出して肌を撫でる。

「っ…!」
「あ、耳弱いんだ。ふふ」

柔らかくてちっちゃい耳を甘く噛むたびに、きみの身体が震えて、
身体が震えるたびに、金属音がする。
がちゃがちゃと鋭い音がするたびに、きみがここから逃げられないことを思い出して、
幸せな気持ちになった。

「もっと教えて、きみの弱いところ」
耳の穴に、すぼませた舌を突っ込んでぐるりと回すと声にならない声を上げる。
舌を抜いて、濡れたそこにふっと軽く息を吹きかけた。
「もしかして、感じてる?…だとしたら嬉しいな」

じゃあ、次は…

両手をそっとそこに置く。
目の前に晒された柔らかそうな胸。まだ服に隠されたままだけど、
想像していたよりずっと柔らかくて、大きかった。
軽く力を入れると、ぐにゅりと指が食い込む。

「んー…!いいにおい…」
そのまま2つの胸の間に顔を押し当て、思いっきり息を吸い込む。
きみの香りで身体中がいっぱいになる。

「気持ちよすぎてこのまま眠っちゃいそうだよ」
ぬくもりと甘い香りに酔わされて、意識を手放したくなるくらい気持ちよくて。
もっと知りたい、きみのこと。

「僕だけハダカなの恥ずかしいから、きみも脱ごっか」
上体を起こし、彼女の着ているブラウスのボタンをひとつひとつ丁寧に外す。
がちゃがちゃと音がしたけど、無視した。

もう、戻れないよ。

前を全部開けると、可愛いピンク色の下着が覗く。縁に小さなフリルがついている。
「可愛い。もっとよく見せて」
胸にかかった服をもっと左右に寄せると、透き通るような白い肌と、そこを覆う淡いピンク色の下着。

ーねぇ、これも彼の為に選んだの?

言いかけてやめる。
もう彼のことは忘れさせてあげないと。
僕でいっぱいにするんだから。

しばらくその姿を眺めていたが、下腹部に集まる熱が辛くて、下着に手を掛ける。

「もう少し眺めてたいんだけど、そろそろ我慢できなくなってきちゃった」

ごめんね。
だってずっと我慢してきたんだ。
もう待てないよ。

ぐっとそれを上に押し上げると、中から白くて柔らかい膨らみが飛び出す。
飛び出す、って表現がぴったりだと思った。
閉じ込められていて、窮屈そうだったもんね。
まず右がわの膨らみに口づける。

「ああ…」
「っ……!」

柔らかくて掴みどころがない。
弾力があって、埋めた唇がいとも簡単に押し返される。

「んっ…ん…」
「…!」
円を描くようにそれを味わう。
そしてもう片方は、手で包んでぐにぐにと刺激を与えた。
きみの足がばたばたと暴れていたが、僕の体重で押さえつけられたままだからそれ以上動かすことができない。

白いふわふわの胸を味わって…それから、
「ここ。もう硬くなってるね」

先端の赤い突起を口に含んで舌で弄ぶ。
少し起っていたそこが更に刺激されて、硬く自己主張を始める。
軽く歯を立てると、彼女の背がしなった。
「あ、気持ちいいんだね。もっとやっちゃう…んっ…ん…」
「…っ…!!」
「痛いの好きなの?」
そこで喋ると吐息まで刺激に変わって、きっと劣情を煽ってるに違いない。
もっと感じてよ。

僕の言葉に首を左右に振る彼女。
嘘だ。
手で弄んでいた方の胸の突起も一緒に刺激してやると、また身体が跳ねた。

今度は痛いくらいに立ちあがった突起を吸う。
吸っては離して、舌先で苛めて、また吸いつく。
もう一方は手で存分に可愛がる。
同時に色んなところを弄られて、もう何も考えられなくしてあげる。
僕のこと以外、全部忘れて。

「っ…!んっ…!!」

頭上で響く金属音とうめき声。
漏れる声がさっきより心なしか甘くなっている気がする。
やっぱり感じてくれてる。嬉しい。

ちゅ、
名残惜しく唇を離すと、唾液でてらてらと光るそこは真っ赤になっていた。
何回も噛んだせいで腫れてしまったのかもしれない。

「ごめん、苛めすぎちゃったかな?」
でもまだダメ。全然きみが足りない。

きみの足元へと移動して、スカートの中に手を差し入れる。

「!!」
足をばたつかせるけど、そんな些細な抵抗は僕を煽るだけだよ。
力でねじ伏せて、僕だけのものにしたい、ってそう強く思わせるだけ。
膝辺りからゆっくりと手を滑らせて、柔らかい太ももに。

ああ、美味しそうな太もも。

わざと力を入れると、細い腰が跳ねる。
僕の指が食い込んで、きみの身体を徐々に、少しずつ追い詰める。

そしてその手を更に奥に…。
そこは熱くなっていて手のひらでそれを感じる。
薄い布の横からきみの中に指を入れるとあっという間に中へと導かれる。

「あ、もう濡れてる」

嬉しくなって更に指を奥へと突っ込む。
ぬるぬるのそこは、遮るものも邪魔するものも何もなく、まるで僕を歓迎してくれているようだ。
中指だけじゃ物足りないだろうから、もう1本増やして、中をひっかくと、熱い身体が跳ねた。

「気持ち、いい?」
きみの表情は遠くて見えない。それにそっぽ向かれちゃってる。
だめ、僕だけを見てくれなきゃ。

ぐちゅぐちゅ、小刻みに指を動かすと、熟れた音が耳を擽る。
この恥ずかしい音、きみにも聞こえてるよね?
空気を含ませるように、わざと大げさに音を響かせるように、指を動かす。

ぐちゅ、ぐちゅっ…ぐちゅ、ぐちゅっ…

「っ…!んんっ……!」
「聞こえるでしょ?この音。ふふっ、きみの恥ずかしい音」
そして、指を突っこんだまま、その上でぷっくりと腫れている突起を親指で刺激した瞬間、
きみの身体は一直線に稲妻が走ったみたいに震えて、撓って、またベッドに沈みこんだ。

「イッちゃった?」
「っ……」
タオルに息を阻まれて、呼吸がうまくできないみたい。
胸を大きく上下させて、全身で浅い呼吸を繰り返している。
潤んだ瞳と、次々と零れ落ちる涙、上気して赤くなった頬。
どれも扇情的でそろそろ限界。

下着に指を引っ掛けて、あっという間に脱がせる。
そして身体を少し移動させ、勢いよく細い脚を開かせた。
ごめん、優しくしようと思ったんだけど、昂揚感と焦燥感でうまく力がコントロールできない。

綺麗な足の間に身体を滑り込ませ、僕は急いで服を全部脱いだ。

身体を固定されてるきみは、顔だけ浮かせて僕の姿を見る。
その瞬間、身体を強張らせた。

「ねぇ、僕のこと受け入れてくれるよね?」
言いながら、白くて形の良い脚を両手で抱えて持ち上げる。
膝にキスを落とす。足もすべすべ。
腰を浮かせたら、恥ずかしいところが全部丸見えだ。

「………」
僕の言葉に対してだろう。彼女は目を見開き無言で顔を左右に振った。
拒絶するような表情に落胆を覚える。

「どうして…」

OK出した相手は何度も告白したって言ってた。
きみは押しに弱いんだ。じゃあ僕も何度も想いをぶつければ、受け入れてくれるよね?
きみは優しいから、ね。

「あれだけ濡れてれば痛くないよ。……どうしたの?ほら、力抜いて」
足をばたつかせようとしたので、そこに爪を立てる。痕が残らない程度に、でも強く強く。

「言うこと聞けない子にはお仕置きだよ?」
「………っ」
大人しくした彼女は見開いていた目をゆっくりと閉じた。
強張っていた身体から力が抜けて、抱えていた足がだらりと重くなる。

「そう、全部僕にゆだねて。きみはもう僕のモノになるんだ……じゃあ…いくよ」

足を抱え直して、愛しいきみの顔をじっと見つめながら、確実に、ゆっくりと、きみの中に入っていく。
ずっとこうしたかった。ひとつになりたかった。待ち焦がれていた瞬間。
もう、入ってる途中で意識飛びそうになるくらい気持ちよくて僕まで泣きそうになった。

「んっ……」
「…む…っ!!」
「もうっ、少し…ぁ……はぁ…」
「〜〜〜!!」

ぴったりと腰同士がくっついて、触れ合うところ、どこもかしこも熱くてそこから溶けていきそう。
きみと一緒に溶けるなら本望。混ざり合って名前のない液体になって、そのまま蒸発して消えたって構わない。

「はいっ…た……最後まで…はぁ……ふふ…もぉ、気持ちイイ…んっ……」
「っ……んっ…」
きみの中はとても熱く絶えず疼いていて僕をぎゅっと締めつける。きつくて苦しいくらいに。
気持ちいいけど辛くて、でもやっと手に入れた時間と感触と感覚をいつまでも味わっていたくて、
幸せな悩みの波間を漂いながら、ナカを味わう。

汗と涙でぐちゃぐちゃになったきみの顔。
おでこにはりついた前髪を掻き分けて、口づけを落とした。

「きみのナカ、気持ち良すぎてすぐイッちゃいそう…んっ…」
「っ……」
「きみが好きで好きで仕方ないんだ。きみのせいだよ、きみが悪いんだよ…僕以外の男と付き合ったりするから…きみに触れる男は僕だけでいい…」
「…………」
「彼はどこに触れたの?その記憶が消えるまできみを犯すから」
「……!!」
「だめっ、もぉ…我慢できないや……動くね…んっ…」
ぴったりとくっついた細い腰を両手でぐっと掴み、限界まで自分の腰を引いてから勢いよく突っ込む。
こうやって何度も何度もぶつけたら、僕を受け入れてくれるよね?

「んっ…あっ…あぁ……はぁ…」
「っ…!!!」
くぐもった嬌声が聞こえる。
ダメだよ、そんな可愛い声だしたら…煽らないで。

肌と肌のぶつかりあう音。
僕たちが混ざり合って響く、ぐちゅぐちゅと溢れる水の音。
肌とベッドシーツの擦れ合う音と、
スプリングの音。

そして、きみの自由を奪う金属の音。

「ぁっ…あぁっ……そう、そう…僕のリズムに合わせて…」
自然と揺れる腰は本能のせいなのか、それとも僕を求めてくれてるのか。
「可愛いよ…好き、好きなんだ…」
「…っ……っ!」
「ねぇ、やっぱり声聞きたい…はぁ…んっ…タオル…外しても大声出しちゃだめだよ?」
「っ…!んっ……」
突き上げながら言うと、彼女は眉をハの字にし、困惑した表情を浮かべる。
「大声だしたら、そこにあるケータイできみの姿撮影する…っ…ぁ…だから……わかった?」
「……っ…んっ……んっっ」
大きく揺さぶられながら、彼女は涙目で2,3度頷く。
「よかった…聞かせて、きみの声…」
腰から手を離し、上体をぐっと伸ばして彼女の後頭部で結ばれたタオルを外してやる。
唾液でべたべたに濡れた重たいそれを、頭上へと押しやった。
「あっ…あっ……」
「はぁっ…やっと…聞けたきみの声……ねぇ、呼んで、僕のっ…名前…ねぇ…」
「ぁっ……しん、のすけ、さ…ぁぁっ…ん」
突かれながら、息も絶え絶えに僕の名前を呼ぶきみが愛しくて仕方がない。
きみのナカで僕がまた熱を帯びて質量を増す。
「っ」
「わかった…?いま、きみが可愛すぎて…興奮しちゃった…ぁ…っ…」

突くたびに金属音が鳴り響き、
突くたびにやわらかな白い胸が躍る。
くぐもった声は明瞭な嬌声へと変わり、数倍の威力で僕の耳を犯す。

「幸せすぎてっ…死にそう…はっ……ぁ…」
「あっ…あぁっ…しん、の、すけっ…さんっ……やだっ、やだ……」
「なに?もしかして…イきそう…?」
「ど…して、こんなっ……」
踊る胸を鷲掴む。きつく力を込めると、きみの表情が歪む。

「きみが好きだから。それだけ。きみは僕のモノだよ。それを、もっと…もっと教えてあげるから…ねっ」
「ぁっ…!!」

鳥籠の中で、僕のために生きる鳥になるんだ。
僕だけの、可愛い可愛いきみ。
僕の愛撫で感じで、愛しい声で鳴いて、僕のモノでイって。

もう離さない。


*END*

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