ときレス | ナノ


「Lovely Summer Diary」ときレスオンリー新刊サンプル

◇あらすじ

1. テイクアウト(不破×主)

不破と花火大会に行く約束をした主人公。
初めての花火デートに胸をときめかせる。
屋台から漂う馨しい香りに心惹かれるが、
不破はそれらに見向きもしなくて…。
花火デートのお話。

2. 素直な猫はお好き?(透×主)

店で主人公の仕事ぶりを眺める透。
自分の知らないところで愛想を振りまく彼女にイライラしてきて…。
もっと素直になれたら、もっと好きになってくれんのかな?
考えた彼は、ある作戦を決行するのだが…。


3. さざなみ(伊達×主)

京也と主人公は夏真っ盛りの海へと出掛ける。
彼の見立てた水着に着替えた彼女に、
京也は日焼け止めを塗ると申し出て…。

海デートで起こるアクシデントとその後の話。



※本文より一部抜粋しています。


「照れんな。もっとよく見せろ」
俯いた頬に手を添えられて、ぐい、と強引に上を向かされる。

キス、されそうなくらいの距離に頭が沸騰しそうだ。
「………っ」
「っ!」
なんて思ってたら、次の瞬間、唇に彼のそれが触れる。
軽く音を立てて、すぐ離れる羽根のようなキス。
驚いて目を白黒させていると、彼がふっと笑った気配がした。

「わりぃ、あまりにも可愛くてフライングした」
「ふ、フライング…」
照れくさそうに言なり、彼は手を差し出してくる。
「さ、行くか」
「うん!」
大きな手に自分の手を重ねると、そこからまた熱が広がっていく。
胸の鼓動が更に高鳴った。

「ところで…キョウヤの奴、『イケてる浴衣姿で今日こそあの子をテイクアウトできちゃうね』って言ってたんだが…」
「てっ、テイクアウト!?」
「お前、お持ち帰りできんのか?」

―不破×主「テイクアウト」より



「一緒に住んでるみたいだろ?」
「へっ!?」
「…なんだよ」
「う、ううん…そ、そうだね」
あいつは困惑しながらも用意された飲み物の前に座った。
グラスに口を付けて、一口含むと、瞬時に喉が上下する。
それから、ふぅっと息を吐きだした。
付きだした唇がつやつやしてて可愛い…なんて、またそんなこと考えてたり。

「お疲れ様」
「うん、透さんも」
「おいで」
「…えっ?」
ベッドに腰掛けている自分の膝の上に、彼女を招く。
「はーやーくー」
「は、はいっ!!」

恐る恐る膝の上に俺に背を向けて腰掛けようとする彼女の身体をくるりと反転させて、膝をまたいで座らせる。
「わっ!」
「もっと足開け。こう」
「…うぅ…なんか恥ずかしい…」
「恥ずかしくない。顔上げて。俺を見て?」
膝の上に向かい合うように座らせた彼女の腰に手を回す。
少し高い位置にある彼女の顔を下から覗きこむと、
その顔は真っ赤で、思わず笑みが零れた。

―透×主「素直な猫はお好き?」より



「しょっぱい……海の味?」
ふふ、と彼が笑うたびに熱い吐息に耳を擽られる。
思わず目を瞑ると今度は耳全体を彼の口が覆う。
温かくてぬるりとした感触を耳全体で感じていると、
細くすぼまった舌がその穴に侵入してきて中で蠢いた。
「んっ…ぁ…きょ…やさん…」
背中に走る刺激があまりにも強く、腰から力が抜けてしまう。
うまく立っていられなくて、ずるりと身体が床へと近づく。
すると彼は私の腰に優しく手をまわし、耳への愛撫を続けながら、ベッドへと身体を横たえた。
最後に小さく音を立て、唇は離れていく。

唾液で濡れた耳が、外気に触れて少し冷えた。
ふわりとした感触に、安心感と危機感を覚える。
「京也さん…?」
「ホントに変なことされなかったか?」

―伊達×主「さざなみ」より




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