贖罪(足立)
「名ちゃんが悪いんだよ?」
君たちが、こうして僕を追い詰めて。
いや、君が僕を追い詰めた。
こんなに愛しているのに。
真犯人―僕の罪―は裁かれるべきだと言ったんだ。
だからね、
君たちに裁かれる前に、
僕は名ちゃんを裁くことにしたんだよ。
僕の愛を一身に受けるその罪を。
その身体でもって償って欲しくて。
独りで歩いていた夜道。
そっと忍び寄って、抱き寄せて。
抗う身体に手刀を浴びせれば、君は大人しくなった。
意識を失っているうちに、
僕たちだけの城へ。
君はここから逃げるなんて考えることはないだろうと思ったけど、
僕は心配症だから。
ベッドと君を手錠で繋いだ。
もう両手の自由は効かないね。
違う男の名前を呼ぶから、
仕方なくタオルを噛ませた。
でも、わかってる。
それさえも君の罠。
僕に嫉妬させたいんでしょ?
可愛いね。
細い両足を持ち上げて開かせて、
ああ、これでやっと1つになれる。
思っていたとおり、
身体の相性も良いみたいだね。
もうベッドがぐちゃぐちゃだよ。
僕の欲望も果てなくて、
君をどんどん追い詰めて楽しんでいる。
感じてくれてるのが嬉しくて。
その涙は、イキすぎて苦しいからでしょ?
本当に可愛い。
愛してるよ。
君が僕を愛してくれているように。
君の口からタオルが外れた拍子、聞こえた言葉。
「もう、許して…」
そう、聞こえた。
許す?
君を?
僕が君を許すまで、
この愛は続くよ。
さすがに僕も疲れるかもしれない。
だって、僕は一生君を許さないから。