ペルソナ4&3 | ナノ


  雷を回避する方法(P4主人公/裏)


最近、雨が多い。

ザーッ…

雨音に混じって、
遠くで雷が鳴っているのが聞こえる。

エルニーニョ現象が原因で、
日本では大気の不安定な状態が続いていると天気予報は告げていた。

「今日も、雨」

カーテンを少しだけめくって、
既に闇に包まれた外を窓越しに眺める。

ぽつん、ぽつんとした街灯が、
窓を濡らす雨によって滲んで見えている。

もうすぐ日付が変わる時間だ。
幸い、いまテレビの中には誰もいないから、
雨の真夜中でもテレビには何も映らないだろう。

しばしの小休憩だ。
いつまで続くかはわからないが。

「…………」

再び雷の音が聞こえる。
先程よりも近づいてきたようだ。

ー音がうるさくて眠れなかったら困るな。

時計がちょうど0時を指している。
念の為テレビを付けてみるも、何も映っていなかった。

「ふぅ…」

テレビを消して、ソファに腰掛ける。
窓の外が一瞬光り、すぐ後に雷鳴が響いた。

光ってから音が鳴る感覚が更に狭くなっている。
通り雨かもしれないが、
しばらくは音に悩まされるかもしれない。

明日は定期試験最終日。
あまり不安はなかったが、一応最終確認でもするか。
鞄に入っている教科書に手を伸ばして、止める。

「そういえば…」
誰に言うでもなく呟いたのと、部屋のドアがノックされたのは同時だった。

『悠……起きてる?』
ドア越しにするくぐもった声。

「起きてる。どうぞ」

俺の声の後、遠慮がちに開いた扉。
菜々子…ではない。
名だ。

既に風呂を済ませたのか、ワンピース型のルームウェアになっている。
パイル地で出来た彼女のお気に入りのそれは、
同じ生地でできたヘアバンドが付属していたらしく、
勉強するときはそれを頭に巻いているのをたびたび見掛ける。

パイル地は大層肌触りが良いのだろうと何度か思ったことがあった。

「あ、あのね…ちょっとわからないところがあって…数学なんだけど…」
「うん」
「教えて…くれる?」

彼女はそう言いながらちらりと窓に目を向ける。
光った直後に雷鳴が轟いた。

「っ……!」
ぎゅうっと目を瞑ってその音をやり過ごす。
その行動に口元がつい綻んでしまった。

「いいよ。入って」

自称特別捜査隊として俺たちと共に勇ましく戦う彼女。
数々のシャドウにも怯まず、仲間を励まし、皆からの信頼も厚い名。
でも聴いたことがあった。

彼女は雷が苦手なのだと。

「どうやら、本当らしいな」
「えっ?」
「ううん、なんでもない。隣、座って」
「………う、うん…」

黒いソファ。その上に並べられたふたつの青いクッション。
その片方を手に取り、胸に抱いて、彼女は空いた場所に身を沈めた。

「で……どこ?」
「ごめんね、寝るところだった?」
「ああ、気にしないで。明日の試験の確認しようかなって思ってたところ」
「どっちにしても邪魔しちゃったね…わたしのは早く済ませ……きゃっ!」

光ったと思った次の瞬間、心臓を叩くような雷の音。
ビリビリと振動が家を少しだけ揺らしている気さえする。
もしかしたら近くに落ちたのかもしれない。

名は教科書を放り投げ、両耳を塞いで身を縮めている。
怯えきったその様子はまるで小動物のようだ。

「大丈夫?」
「……へっ、平気っ!ちょ、ちょっとびっくりしただけだし!」
俺の声に、慌てて姿勢を正して教科書を拾う為に立ち上がる彼女。
落ちた際の衝撃で変にページに折り目が付いてしまったらしく、手でそれを直しながら元の場所へと戻る。
ぽすん、とソファが再び沈む。

「もしかして、名って…」
「ううん、違うよ!雷怖いとかそんなんじゃないから!!」
「ホント?」
「…………ホント……わあっ!」

再び響く雷鳴。
先程のものよりは小さかったものの、
身体中を駆け抜けるような音に、やはり彼女は表情を強張らせている。

「嘘つき…」
言いながら、彼女の頬に手を伸ばす。
「ゆ、悠……?」
涙で少し潤んだ瞳は、このロマンチックな状況に対して…というよりは、
純粋に雷が怖いのだろう。
今までに見たことのないすっかり憔悴しきった名の様子に心躍る自分がいた。
申し訳ない……とはあまり思っていない。

だって…

「名……可愛い」
「……かっ、可愛くないもん!」
「そう言う風にあんまり強がるのは可愛くないかも」

彼女の両頬を手で挟み込み、至近距離で見つめ合ってのこの会話。
その頬は柔らかくて、緊張感からか少し熱い。

「べ、別に悠に可愛いって思われるのは…」
「いや?」
「………嫌じゃないけど…」
「そう…」
「え…?え、……っ!」

唇を塞いで、彼女の言葉を断つ。
きっと何か話していないと平常心が保てないのだろう。
相変わらず雷は鳴り続けていて、大きな音がするたびに彼女の身体は小さく跳ねる。

「っ……ふ」
「ん………んっ…」

頬を挟み込んでいた手を移動させ、彼女の耳を塞ぐ。
きっと彼女の脳内にはより大きく、二人の舌の交わる音が響いているだろう。

満ちた水の音と苦しそうな呻き声。
鼻に抜ける艶めいた声にクラクラする。
名は無意識なのだろうけれど。

すごく、いやらしい。

「はぅ……ん…」

彼女の両手が俺の腕を掴む。
片手には教科書を握りしめながらのようで、硬い教科書と細い3本の指だけが腕に絡みつく。

そうしないと倒れ込んでしまうかのような、まるで縋るような手つきに嗜虐心が煽られる。

「ゆ……っ…ぁ…ん……」
「名……っ……可愛い…」

1度唇を離し、吐息の重なる距離で見つめあう。
そっと髪を撫でると、小さな唇から艶めかしい吐息が漏れた。
その吐息ごと掬いあげ、押し込むように再び唇を重ねる。

「あっ、ん……」
不意を付かれた彼女が上げた声に、俺の腰が疼いた。

「やっぱり雷…怖い?」
「…………」

唇を離し、一息吐く。
潤んだ瞳を見つめながら問うと、今度は小さく頷いた。

「だったら、雷のことなんて忘れさせてあげるよ」
「ゆ、悠……私……」
「ハイ。膝の上、乗って」

名は不安の色の滲んだ瞳で、どうすべきか迷っているようだった。
変なところ頑固なんだから。

試験勉強期間だからと、
先週頭からほぼ丸2週間触らせてもらってないこっちの身にもなって欲しい。

「明日も試験なんだよ?その、そういうことは……」
しばし逡巡した後、出てきた言葉。
俺のしたいこと、わかってるみたい。

でもここは敢えてはぐらかす。
ドキドキしてるきみの表情はとても魅力的でもっともっと見たくなるから。

「そういうことって?なんのこと?」
「だって、悠…絶対へんなことしようとしてる…」
「別に。きみが怖がる雷から守ってあげたいだけなのに、心外だな」

再びの雷鳴。

しまった、電気を消しておくんだった。
闇の中、光に怯えるきみも楽しめたのに。

「…………」
雷鳴に身を竦める。

「………よ、っと」
「わあっ!」
その隙に、隣の彼女の身体を抱きかかえ、
自分の膝の上に乗せる。
膝の上というよりは太ももの上。
俺の両足をまたがった形の彼女を迎える。
足を大きく開かされた彼女は、つま先が床につかずに、簡単にはそこから逃げることが出来ない。

「ちょ、悠!下ろして!!」

背の高さが違うゆえ、
いつもは見下ろしている彼女の顔を、下から見上げるのは不思議な気分だ。
彼女の手から優しく教科書を取り上げる。

「こうして触れているだけでも、だいぶ怖くないだろ?」
「そ、それはそうだけど……でもこんなの恥ずかしい」
「すぐに恥ずかしくなくなる」
「えっ………きゃっ」

目の前で揺れる柔らかな膨らみに口づける。
生地越しに、そこに隠された突起を探る様に少し歯を立てて噛みつくように。

「や、やだ……恥ずかしい…っ」
「んっ……ふ……ん……」

彼女の背筋がピンと伸びる。
仰け反り、俺を拒絶したいかのようにその両手は俺の頭を剥がそうと躍起になる。
それに抵抗しようと逆にしっかりと彼女の胸に噛みつくものだから、
それは、逆効果。
しっかりと彼女の背を抱きとめ、逃がさない。

生地をたっぷりと唾液で濡らし、舌でつつく。
彼女が風呂のあとはブラをつけないことは経験上よく知っていた。

やがて潜んでいた突起がくっきりとその形を現した。

「ゆ、悠……っ」
「みーつけた。名、ここ気持ちいい?」
「んっ……っ……」

生地を押し上げて存在を主張しているそこを甘く噛むと、名が甘い吐息を漏らす。
窓の外に轟く雷鳴よりも、彼女の熟れた声が俺の身体を痺れさせる。

唇で吸いついて何度も少し強めに歯を立てるたびに、
彼女の身体がびくんびくんと跳ねた。

「こっちも…」

触れていなかったもう片方の突起に吸いつく。
こっちは触る前からその存在を俺に教えてくれていた。

「こっちはもう勃ってる。名は敏感だね」
「や……」
「ずっとシてないからいつもより感じてる?あ、それともひとりでシてた?」
勃ちあがったそこを口に含みながら喋ると彼女の身体が一層震えた。

「し、してないもん!う…悠、……だめ、そこで喋らないで……」
「へぇ…じゃあ名も溜まってる?」

抗議を無視して、ちゅ、ちゅと音を立てて吸いつく。

「ふ…ぁ……んっ…」

パイル地のルームウェアから漂う柔軟剤の良い香りが、彼女の熟れた熱で蒸発していく気さえする。
香り高く俺を包む。
欲にまみれた俺はその甘ったるい香りに煽られて、その正体を、それを醸し出す彼女の芯を暴きたくて仕方がない。

2つの場所だけがすっかり唾液に塗れ、
部屋の明かりに反射しててかてかと光っている。
そこの生地を押し上げる突起。
嫌でもその存在が目に入る。

今度は両手でそれぞれを優しく摘まむ。
「んっ…!!」

自分の指を自分の唾液で濡らすなんておかしなことだと思ったけど、
可愛い彼女の表情を見られるならなんだって構わない。

「はぁ……やだ…悠……恥ずかしい、よ…っ」
「恥ずかしくしてるから」
「……もぉ!いじわる!!」
「意地悪ついでにもうひとつ。このまま、シてもいい?」
「えっ、えええっ!?」
「だってほら」

彼女の手を掴み、自分の限界まで熱くなったそこに導く。
「っ……!」
自分がさせた行為にも関わらず柔らかな手が触れた瞬間、身体に電流のようなものが走り、思わず声を漏らしてしまった。

「こんなに、なって……」
「…………」
「俺をこんなにした責任、とって」
「なっ…!!」

はぁ、と自分でも熱に浮かされきった吐息をつきながら、
彼女を見上げる。
困惑した表情と見つめ合ったまま、手を自分の身体と彼女の身体の隙間から中へと入れる。
そして大きく開かせた足の中心へ。
近づけただけでも熱気を感じるくらいとろとろに蕩けたそこ。
下着をずらして、指を侵入させる。

「ん…!?」

異変に気付いたらしい彼女が腰を浮かせる。

「だめ。逃げないで」
「や、やっ……ぁっ……」

名をしっかりと見つめたまま、ぐちゃぐちゃになった熱いそこに指を突き立て、
もう片方は細い肢体を逃がすまいときつく抱きしめる。

「もうトロトロ。やっぱり溜まってた?」
「ち、ちが……や、動かさないで……ぁ…」
「動かしてないよ?名の腰が勝手に動いてるんじゃ?」
「え、う……動かしてないよ!」
「もっと奥にって言ってる」
「言ってな……きゃっ!」

指を1本追加し、更に奥を探るべくゆらゆらと動かしながら、力を込める。
唇を噛みしめて泣きそうな表情の名は目眩がするくらいエッチな顔してる。

「ここも好きだよね」
親指を小さな突起に宛がい刺激を与えると、彼女はぎゅっと目を瞑って俺の頭を抱くような姿勢に変わる。
と同時に、中に収めていた指がきつく締めつけられる。
突起をぐりぐりと潰し続けると、やがて泣きそうな声が聞こえてくる。

菜々子の部屋に、堂島さんの部屋に聞こえちゃいけないと、
声を殺せば殺すほど快感が抑えきれなくてどうしようもなくなる。

俺の腕を掴んだ指が突き立てられ、爪が食い込む。
跡になってしまうだろうと思えるほどに強い力。

快感を抑えようと必死な名。

「声、聞こえちゃうよ?」

掠れた自分の声に、彼女に欲情しきっていることがわかる。
早く欲しくて仕方がない。

ナカにぐっと指を押し進めつつ突起を強く弄ると、俺の腕から彼女の手が離れ、
それが彼女の唇へと押し当てられる。
両手で自分の口をぐっと塞ぐ。

そして――――

「っっっっ!!!」
勢いよく天井を仰ぐ瞬間、彼女の中の指がきつくきつく締めつけられ、
俺の掌を激しく濡らす。

「イッた?」
「はぁ……はぁ……や……ぁ……」
「気持ち良かった?」
「はぁ……はぁ…」

問いに答えられないほどの大きな衝撃だったらしく、
浅い呼吸を繰り返すばかり。
休ませてあげたいけれど、そろそろ俺も限界。

硬く熱くなった自身を取り出す。
おさまっていた窮屈な場所からまるで飛び出したのかと思うほどに、
待ちきれないその瞬間を焦がれていた。

密かにポケットに忍ばせていた避妊具を素早く装着する。
自分で触れる刺激でさえ辛かった。

「名…」
「悠……はぁ……はぁ…」
「腰、浮かせて。きみが欲しい」
「……………」

一瞬俺のそれに視線を向けた彼女を喉を鳴らし、ごくりと唾を飲み込んだ気配がした。
彼女を見つめる俺の表情は、劣情に塗れたただの男で、
その表情の通り、優しくするとか、リードするとか、そういう紳士的な考えは微塵もない。

ただ彼女を突き上げ、貪って、めちゃくちゃにしたかった。
乱れた彼女が見たい。自分の手で善がる彼女に、また自分も慰めて欲しかった。

ひとつになりたかった。

「名っ……」
焦がれた声。
柔らかな身体に触れ、胸に触れ、熱いナカに触れ、もう我慢も限界。

彼女は足の力を使って恐る恐る腰を上げる、そそり立った俺のそこを入り口に宛がう。
大量の体液が俺自身を濡らす。彼女は、大きく息を吸うとゆっくりと腰を下ろした。

とろとろに熟れたそこは熱く、何の滞りもなく彼女の中におさまる。

「あつ……それにきつ……い…ぁっ……名っ…」

焦がれていた中に入った瞬間から、
気持ち良くて意識が飛びそうだった。
柔らかなひだが絡みつき、ぎゅうぎゅう締めつけてくる。

「悠……はぁ…ん……」
「全部、入った……動くよ」
「ん……う、ん……」

小さく頷き目を瞑る名。

最初はゆっくり、だんだん速く、激しく腰を揺する。
俺のリズムに彼女の半開きになった口から声が漏れ、俺の耳を侵す。
彼女の声は麻薬みたいで、耳から入って身体に痺れをもたらし、彼女のことしか考えられなくなるから。

もっともっと聴きたくて、彼女を追いつめる。

「はぁ……っ……あっ……ん…」
「名…っ………っ……」

一定のリズムで突き上げながら、
目の前で揺れる膨らみに噛みつく。
気がつけばふわふわのそこはまだ完全に暴ききっていなくて、
彼女の腰から一瞬手を離し、肩ひもをずらす。
そのまま服をずりさげると、白く大きなマシュマロが零れ出た。
突起は紅く、変わらず勃ち上がったままだった。

むしゃぶりついたまま、夢中で腰を揺らす。

「悠っ…んっ……だめ、声……あっ……ひっ…んっ…」
「も、少し、……我慢、して……ほら、頑張らないと、菜々子っ、……っ……はぁ…部屋に、き、ちゃうよ…?」
「こんなの、あっ……見られた、っ…ら……あっ…」
「軽蔑、されちゃう…かも、…はぁ……ね?…ここ丸出しに、して…変な声上げてる…名なんて…んっ…」

一層きつく締めつけられる。
少し意地悪した方が彼女が悦んでくれるのを知っていた。
だから多少卑猥な言葉を囁くことだって厭わなかった。

「も、だめっ…あっ……い、ちゃう……いっ、ちゃう…!!」
「ああ、……んっ…ぁ……イって……イけよ……俺、も……くっ…!」

許された限界まで声を上げて、でもそれは他人の情事に比べるときっとしめやかで。
限界を迎えた2人は繋がったまま、ソファに倒れ込んだ。

その音がやけに大きく響き、肝を冷やす。
周囲の音に気を配りながら彼女の中から自身を抜く。
誰かがこちらにやってくる音はしなかった。


まだ荒く続く吐息と雨の音だけが響いている。
倒れ込んだまま、息を整えている彼女の髪を優しく撫でる。
汗でおでこに張り付いた前髪が愛しかった。
そこにキスをすると、彼女が甘えるように胸に顔を埋めてくる。
まるで子猫のようだ。

気がつけば雷は遠く離れ、もう稲妻は走っていなかった。
遠く響く音が小さく聞こえているだけ。

「雷よりも名の声の方が大きかったかも」
「そ、そんなわけないよ!」
「雷怖くなかっただろ?」
「……………」

何も言わずに胸に鼻をこすりつける。
恥ずかしいときに名がよくやる癖だった。

「……立てる?」
「……無理そう…」
「なら、このまま朝を迎えようか」
「……身体痛くなりそう…」
「じゃあいっそのこともっと身体を酷使して痛みを和らげようか」
「ば、ばか!」

脱力した身体は正直微塵も動かなかった。
よっぽど体力を使ったらしい。張り切り過ぎたようだ。

2週間もお預けじゃ仕方がない。

「悠」
腕の中から彼女が恨めしげにこちらを見上げている。
嫌な予感がした。

「ん?」
「試験期間中はシないって約束、破ったね」
「えっ…それは名の為に仕方なく…雷回避大作戦」
「他に…もっと方法あったでしょ!」
「………」
「あと2週間、禁止」
「な…………」
「夜間、私の部屋に来ることを禁じます」
「……………じゃあ今日する」
「えっ、ちょ、ま……っ、っ!!」

体勢を変え、彼女をソファへと押し倒す。
強い力で押さえつけ、笑みを浮かべると、彼女の瞳に今日の色が滲む。

恐怖と不安、そしてそれ以上の期待。
彼女が欲情しているときに見せてくれるそれがたまらなく好き。

「今日はカウントされないだろ?なら、今日する朝までする」
一息で言い放ち、汗ばんだ太ももに触れる。

「えっ、ちょ、いや……っ!」

抗議の言葉を唇で遮って。
柔らかな身体に手を這わせることから始める。
今度はお互い裸の肌を擦り合わせたい。

そう、もう1度最初から。
飽きることなく繰り返すだろう。

「名」
「…………」
「愛してる」
「……もう…」

知らないきみをもっと見せて。
俺をもっと感じて。

もう止むだろう雷が、
遠くで最後の咆哮を響かせていた。


2014.6.29


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