ペルソナ4&3 | ナノ


  like an animal/後篇



その姿はまるで獣のようで、私は息が苦しくなる。
抗えない気持ちと、裏切られた気持ちが、複雑に絡み合って涙が出た。

「おや、どうしました?…私が怖いですか?」
少し悲しそうな声が聞こえたかと思うと、足を開かされる。
「……!!!やだ…!!」
必死に抵抗を試みるも、自由の効かない身体はいとも簡単に彼の手に堕ていく。
「優しくしますよ……彼よりもずっと」
おそらくすっかり濡れてしまっているであろうそこに、彼の熱い吐息がかかる。
「ほう……もう感じてらっしゃるのですね?」
「…ち…が………」
「違うわけがないでしょう?」
耳に、水音が響く。まるで獣が水を飲むときのような、ぴちゃぴちゃ、という舌が液体を撫でる音。

「いっ……やっ……あッ……!!!」
どうしようもなく熱くて、苦しくて、でも気持ちが良くて、涙があふれてくる。身体がベッドの上で何回も跳ねるから、恥ずかしくなって唇をかみしめた。声が…漏れてしまう…!!

「んっ……はぁ………貴女の味……」
テオは夢中でそこを舌で掻きまわし続ける。
お尻の下が液体で濡れていく感触がした。
ベッドは私の体液と彼の唾液で濡れてしまっているのだろう。

「んっ……んんんんっ……ぁ……」
「声……を出し…てください……んっ……はぁ……やめませんよ?……んっ……」
「や……やめて……!テオ…!!テオ……!!!」
仕方なく唇を解放すると、テオはようやく、足の間から上体を起こした。
口の周りに付着したものを舌で掬い、微笑む。

「貴女はどこもかしこも美味しそうだ。貴女の声も……素晴らしい調味料ですね」
「もう…やだよ……」
「私も…もう我慢…できそうにありません」

衣擦れの音がする。視界に思ったよりも白い、テオの素肌を捉えた。いつも蒼い服に身を包まれている彼の身体は、しっかり鍛え上げられていて、細身ながら筋肉質だった。

これから起こるであろうことに恐怖を感じて身を捩る。
真田先輩……!!!!!
こんなに近くにいるのに、声を届かせることができないなんて…!!!!

再び足を開かされ、間にテオが入ってくる。腰を浮かされると彼の体重が圧し掛かってきた。

「私はやっと気付きました…」
「……っ……」
「貴女が好きなんです……この気持ちは誰にも負けない…だから…受け…止めて…!!!!」
「っ………………!!!!!!!!」
大きくて熱いものが中に入ってくる。まるで全身を貫かれる感覚に、両腕がガタガタと震える。
彼の大きな手が、両胸の膨らみを包みこみ、弄ぶ。

「っ…きつ…い……ですね……はぁ…これが貴女の…中」
「あ…やっ……テ……オ…!!!」
「もっと…感じさせて下さい……!!!」
「いやっ…ああああっ…っあ…んあっ……ぁっ…!!!」
「名様…!!!もっと…私を…あっ……感じて…んっ……下さ……いっ」
「ぁう……テオ……テ…オ!!!」
「嗚呼、貴女が……はぁ…私の名を呼んで下さるのがっ…んっ……こんなにも……気持ちいいものだ…っ……なんてっ…」
力強い挿入を繰り返し、私の身体を大きく揺さぶりながらテオは恍惚気味に笑う。
つん、と立った、胸の先端を口に含んで、
まるで狂ったように味わいつくす彼は、普段の冷静な姿からは想像もできない獰猛さだった。

「ん…とっても美味しいですよ……お礼に…もっと…気持ちよく…して…差し上げますからっ…ね…」
胸から口を放すと、再び腰を掴まれ、更に高く上げさせられる。

「いきますよ……」

上から押し付けるように、身体を抉られる。何度も何度も打ちつけられて、頭がしびれてくる。声ももう抑えきれなかった。

「あっ…いやああ…あっ…やめ……てっ…!!!」
「愛して…いますっ……誰…よりもっ!!!!」
彼の全てを解き放つように、一層力強く穿たれ、
私は意識を失った―――。

「私が外の世界に執着する『理由』ができてしまいました」
身体中が痛くてたまらない私の身なりを綺麗に整えながら、彼は嬉しそうに笑った。

「私はこの『理由』とそして『貴方』が欲しかったのです。そう、ずっと」
最後にベッドにくくりつけられた手が解放された。
解放されてなお、痺れは残ったままで、1mmも動かすことができなかった。

「テオ……」
テオの胸の底に秘めた寂しさと、この世界への憧れ、そして猛る心を知った気がした。
「貴女の「魅力」ならば、1人の男に執着せずともよいのでは?」
「………バカ……」
「まぁ、先ほどの声は、確実にあの男の元へ届いているでしょう」
「!!!!!!!」
「そこまで計算済みでしたよ。貴女の済んだ声はとても美しい。苦しそうな声は私の欲望を掻き立てます…おそらくあの男の欲望も同じく」
「…………」
「2人の男に迫られて、貴女はどちらを選ぶのでしょうね……」

先ほどまで傲慢で高揚していた声色に、少しだけ寂しさが滲む。
動けない身体を優しく抱き起こされる。

「また来ます。今度は私ひとりでここまで来てみせましょう。貴女を再び味わうために」

頬に1つキスを残し、彼は悠然と去っていく―――と思いきや、
窓から飛び降りた!!!
下で鈍い音がした。

が、おそらく無事だろう。

私は動かない身体と頭を、どうにもできずに、再び横になった。真田先輩への想いも、テオの気持ちへの答えも、自分の心も、わからなくなった。

まさに、太陽が、沈もうとしていた。

* END *

[ back to top ]