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「…遅いぞ、ルイス。」
「悪いって、これでも、急いだんだぜ?」
打ち抜かれた足に包帯を巻き付けて、はあ、とため息を吐いた。
目を見られないまま、ジルにごめん、と呟く。
一緒にいるのは、難しいみたいです
「ごめん、皆、私は此処から一人で行くよ。」
「何で、」
ジルの首許に跡が残ってしまった。
唇を噛んで、それから、告げた。
「私は今、ガナードになりかけてる。」
だから、此処からは一人でアンブレラに行くよ。
そうすれば、君たちは君たちで行動できるだろう?
苦笑して、コートを着込む。
それから、鞄を持って、中に入ったそれの電源も落とした。
「それよりも、ルイス…首尾は?」
「よくはないな。」
「…そうか。まあ、仕方ない。」
装備を確認して、じゃぁな、と笑う。
が、当たり前のごとく止められた。
困ったと眉を寄せて、振り向く。
「どういう、ことだよ。」
「そのままの意味。」
そう言えば、後ろからルイスがちょっと待てよ、と声をかけてきた。
なんだい?と首を逸らして見れば、俺がいるだろ?と口角をつり上げる。
「俺が、ついて行く、詳しく知ってるのは俺だけだろ。」
「…ハンサムなプーが、何を血迷ってる。」
「アンタに命を救われたんだ、借りは返す。」
真剣な目にはあ、とため息を吐いて、笑った。
自分の米神に人差し指を押当てて、告げる。
「なら、…頼むぞ。」
誰かが、息を飲む音が聞こえた。