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銃を構えて、告げる。
「彼、に…近づくな。」
壁に寄りかかるようにして立ち上がる。
構えた銃は照準がぶれ、正直、相手方にとっては脅威でも何でもないだろう。
なんで、こんなに足掻いてるんだろう
ソイツではなく、ソイツの持っている注射器に向けて発砲する。
ぱりん、といい音を立てて割れたそれに小さく口角をつり上げた。
『近づくな、って言ってんじゃん。』
日本語で告げて、近づいてきた気配にもう一発。
銃を左手に持ち替えて、右手で日本刀を抜き、切った。
丁度首許を狙ったそれは、綺麗に一閃。
が、瞬間的に目の前にいたローブの男に首を絞められた。
「っぐ、」
「そんなに、あの男を守りたいのか?」
手から武器が滑り落ちた。
レオンを守りたいか、だと?
守りたいに決まってる、じゃなかったら、こんなことするわけがない。
こうなるってわかってて、攻撃なんてする訳がない。
横目でレオンを確認すると、残った一人がレオンにプラーガを打ち込んでいるのが見えた。
「残念だったな。」
楽しそうな声と、首許に走る痛み。
プラーガを、私も打ち込まれたようだ。
絞められていた首は解放され、咳き込みながら、睨みつける。
忍刀を握って、最後のあがきとばかりに、投げた。
ローブの男がよけたそれは、上手い具合にもう一人を巻き込んで壁に張りつけにする。
それを見て小さく口角をつり上げてから、私の意識はなくなった。
「…ん、」
自分の声で、目が覚める。
状態は先ほどのまま、3人の…いや、3体の敵が倒れていた。
小さく首を振って、立ち上がる。
歩きながら、刀を回収して、他に何かあるだろうか…ないな。
ふぅ、と息を吐いて、レオンに近寄った。