ナマモノ | ナノ



34
しおりを挟む


銃を構えて、告げる。

「彼、に…近づくな。」

壁に寄りかかるようにして立ち上がる。
構えた銃は照準がぶれ、正直、相手方にとっては脅威でも何でもないだろう。

なんで、こんなに足掻いてるんだろう

ソイツではなく、ソイツの持っている注射器に向けて発砲する。
ぱりん、といい音を立てて割れたそれに小さく口角をつり上げた。

『近づくな、って言ってんじゃん。』

日本語で告げて、近づいてきた気配にもう一発。
銃を左手に持ち替えて、右手で日本刀を抜き、切った。
丁度首許を狙ったそれは、綺麗に一閃。
が、瞬間的に目の前にいたローブの男に首を絞められた。

「っぐ、」
「そんなに、あの男を守りたいのか?」

手から武器が滑り落ちた。
レオンを守りたいか、だと?
守りたいに決まってる、じゃなかったら、こんなことするわけがない。
こうなるってわかってて、攻撃なんてする訳がない。
横目でレオンを確認すると、残った一人がレオンにプラーガを打ち込んでいるのが見えた。

「残念だったな。」

楽しそうな声と、首許に走る痛み。
プラーガを、私も打ち込まれたようだ。
絞められていた首は解放され、咳き込みながら、睨みつける。
忍刀を握って、最後のあがきとばかりに、投げた。
ローブの男がよけたそれは、上手い具合にもう一人を巻き込んで壁に張りつけにする。
それを見て小さく口角をつり上げてから、私の意識はなくなった。


「…ん、」

自分の声で、目が覚める。
状態は先ほどのまま、3人の…いや、3体の敵が倒れていた。
小さく首を振って、立ち上がる。
歩きながら、刀を回収して、他に何かあるだろうか…ないな。
ふぅ、と息を吐いて、レオンに近寄った。

[前へ]/[次へ]

[ back to menu ][ back to main ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -