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レオンを連れて行く彼らから距離を置いて、教会へ向かった。
村人に気付かれないように行動するのはなかなかに難しい。
だが、昼間ということもあり、彼らの動きは農民のそれである。
そして、刀で即刻片を付ければ、物音もせず、他のガナードが出てくることもない。
そもそも、敵は村人の総数以下であり、敵としては其処まで多くないのだけれど。
救出するのは、女の子二人でよかったはず
教会に入ると、そこでは静かな会合が行われていた。
…そう言うの本当にやめて欲しいのだけれど。
なんて思っても、通じる訳もなく。
レオンから手榴弾でも貰っておけばよかった。
『とりあえず、奥に進めばいけるかな?』
一人になってしまった恐怖心を払拭するため、小さく声を出す。
若干涙腺が緩み始めた気がしないでもないが、シェリーやアンジェラを思って下唇を噛んだ。
もう、本当に、何で捕まったのかな、レオン。
小さく左右に首を振って、ふぅ、と小さく息を吐いた。
『でもまあ、気付かれては、いない?』
こそこそと動いて、物陰に隠れながら、足音に十分注意して進む。
音を立てないことで進みは遅くなるが、十分だろう。
私も捕まった方が、確実に同じ場所に行けるような気もするが…いや、リスクが高すぎるか。
…せめて、注射器はデリンジャーと一緒に隠し持っておこう。
見つかれば、それはそれで、見つければ、それはそれで。
『ああ、もう…レオンの馬鹿。』
普通に頼りにしてたのに…!
眉をしかめて、唇を噛み締める。
こんなところでぼーっとしてても仕方ない。
小さく首を振って、進む。
中々変な仕掛けも多いが、嫌々地下を進めば何故か、研究室に出た。
…これがルイスの言ってた、研究室な訳ね。
「…な力を与えてあげようと、言っているのですよ、ケネディーくん。」
1つの扉の前から聞こえたそれ。
確実にレオンはこの中にいる。
そして、多分、想像でしかないけれど、プラーガが打ち込まれそうになってる。
考え事をしていたのが悪かったのだろう。
「そこにいるのは誰です!」