ナマモノ | ナノ



04
しおりを挟む


え?と首を傾げられた。
ん?と首を傾げ返して、それから近くのパトカーに回し蹴りを入れた。
ドゴ、と音が立ち、靴の形にドアが凹んだ。

「ゾンビの頭なら、訳ないよ。」
「…頼もしい限りね。」

とりあえず、人間にあえればそれでいい

歩いていると、公衆電話がなる。
そちらに眼を向けると、既にクレアがその電話をとっていた。
…ちょっと、一直線過ぎるかな、と思いながらそのまま放置している。
驚いたようにして、キョロキョロしてから、頷いて、電話を続けた。
少し離れたその辺に寄りかかって、ポケットに入っていた煙草を取り出す。
それを咥えて、ジッポで火をつけた。
肺に入れず、そのまま、ふぅ、と息を吐く。
じりじり妬けていくようなそれに、命みたいだなと、鼻で笑った。
咥えるだけ咥えて、空気の流れを見て、長い煙草を踏み消す。

「電話は終わった?」
「ええ、アンジェラという女の子がまだいるそうよ。」

その子を救出して、連れて来て欲しいと。
クレアは告げた。
その子の家か、それとも、学校か…あとは、どこだろうな。
てか、ちょっとまて、アンジェラ、って映画の2の主要人物じゃねぇの?
うはー、映画とゲームって、そう言うことかよ。

「シェリー、学校にアンジェラって子はいた?」
「…え?」
「うん、私の親戚。お家にも行けるよ。」
「そう、協力してくれる?」

こくり、頷いたその顔にありがとう、と笑って、その頭を撫でた。
手を引かれ、そのまま、学校へ向かう。
立っていた二人を首の動きで呼ぶ。
置いていかれまい、と慌ててやってきた姿に笑いを堪えた。

「此処だよ!」

十数分歩いて、途中途中でゾンビを倒しながら、着いたそこ。
ぴ、とシェリーが指差した瞬間、中から爆発音がした。
シェリーとクレアを抱きしめるようにして、自身の影に引き込んだ。
割れた硝子が、背中にぶつかるが、それ以上のことは特に起こることもなく。
ほ、と息を吐いて、学校に向き直った。

[前へ]/[次へ]

[ back to menu ][ back to main ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -