旦那 | ナノ



002
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初日

私は元々がインドア派だ。
出来ることなら外に出たくないし、家の中で寝て過ごしたい。
が、流石に食事をしないでいることは不可能だ。
しかたない、と適当に服を引っ張り出して、着る。
ただでさえ、センスが微妙なのに、90年代とかもっと分からない。
…まぁ、いいか。
通帳とカード、財布を鞄に入れて、部屋から出る。
部屋の暗証番号でカギが開く此処はかなりの最新鋭なんじゃぁないだろうか。
なぁんて思いながら、カギをかけて、エントランスのオートロックを開く暗証番号を思い出す。
うん、大丈夫覚えてる。

ママがくれた地図を思い出して、まず、学校に向かうことにする。
徒歩圏内って書いてあったと思うんだよね。
っと、スーパーだ。
家から徒歩3分ぐらいだし、きっと此処で買い物することになるだろう。
深夜0時までやってるスーパーだって、一人暮らしにはありがたいよね。
そういえば、何時だろうと、腕時計を見た。
どうやらお昼過ぎのようだ、買い物にはちょうどいいかな。
なんて思いながら、途中発見したATMでお金を下ろし、大きな道に沿って歩く。
母親は私の方向音痴を心配して、ほぼ真っ直ぐ行けばつくように地理を設定してくれたらしい。
が、ただ歩くのはつまらない、音楽が欲しい。
待って、もしかしなくても、ボカロとかないよね?
辛い、心が折れそう…って、音楽機器は何?MD?
恐るべし、90年代…心が折れる的な意味で。

30…40分は歩いただろうか。
学校に到着した。
海南大付属高校、うん、間違いない。
ふと時計を見る、とあれ、1時間歩いてる。

「チャリ買お。」

大きめの駅が学校から5分程度のところにあり、その近くにはやはりというか、大型ショッピングモール。
自転車も売ってるだろう、と探してみれば、ビンゴ。
高すぎず安すぎずな普通の自転車を選んで買う。
ママチャリの定義がわからないが…一応籠がついてて、荷台?がある。
だが、サドルは高めだ。
手続きに時間がかかるとかなんとかで、受け取りまでの間、他の店を見に行く。
CDウォークマンがあったので購入、CDもいくつか買って。
良さそうなヘッドホンとイヤホンを選んだ。
本屋に行って、気に入りそうな本を買って、いくつか服も購入。
時間もちょうどいいかなぐらいになったので、自転車屋さんに戻る。
どうぞ、と渡されたチャリに乗って帰った。
うん、20分ぐらいで行けるよ、これ楽、文明って凄いね。
マンションの駐輪場にチャリを止める。
ここの駐輪場は登録なしで置いていいらしい。
扉の開閉は、暗証番号を入力する必要があるから、住人以外はとめられないようになってる。
適当な所にチャリを止めて、カギを二つかけた。
駐輪場からエントランス入る時は、普通に出られるようだ。
そのエントランスに大きな青年が困ったように突っ立っている。
取り合えず、自分の手紙を確認していると、困ったように声をかけられた。

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