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恋愛相談
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恋愛相談

きゅん、とする風景は、様々な場面に転がっているものだ。
特に、学生のうちなんかは、思春期であることも関わってくる。
なんて事ない台詞に、何てことない仕種。
それから、なんてことのない関係。
全てが作用し、そして、それが重なっていく事で、恋に落ちる。

「それが普通じゃない?」

目の前の彰くんに首を傾げた。
うーん、と困ったように声をあげ、ちら、と隣にいる宗くんを見る。
宗くんはにこり、と笑い、俺は違うよ、とだけ告げた。

「俺はフィーリングタイプだから。」

自信満々に、胸を張って言い切る。
なに、それ、と眉を寄せる彰くんに宗くんは肩を竦めた。

「ま、俺も言われただけなんだけど。俺は第一印象派なんだって。」
「は?」
「だから、氷雨ちゃんも、入試で見て、あと初めて会話したときに決めたんだ。」
「…え?」

思わず、私が声を漏らした。
その入試のときの私は私であって私ではないんだけど…。
つーか、決めたって何事?

「俺のもの。」

にっこり、邪気のない笑顔を浮かべた宗くんにぞわり、と嫌な予感がした。
いや、まあ、此処には彰くんがいるし、安心なんだけど。
怖。
最近鳴りを潜めてたヤンデレ感があらわになってきたよ。
思わず、腕を擦りながら、どうしたものか、と悩んでいるとチャイムが鳴る。
あ、そういえば、洋平くんが来るって言ってたっけ?

「おじゃまします、氷雨さん…あ、神さんに仙道さん、こんにちは。」
「やあ、こんにちは。」

にっこり、笑う宗くんにどこか薄ら寒いものを覚えつつも、今までの話を洋平くんに話す。
洋平くんはへーと頷きながら、彰くんを見た。

「仙道さんは、今まで恋愛して来たんスか?」
「どういうこと?」
「いや、話聞いたら、流されてただけなんでしょ?相手のこと好きだったんスか?」

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