正義 | ナノ



075
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さあ、座って、と座らされたのは、一番キッチンから遠い席。
隣にはディーテさんが座った。
料理を並べ終わったシュラさんが私の前に座って、その隣にデスが座る。
ふ、と食卓を見渡して、ん?と思わず首をひねった。
私の前には普通の食器、デスも同じ位のものに白米が盛られている。
シュラさんはちょっと大きめだけど普通の域を出ることはない。
ディーテさんの目の前に、どんぶりで、しかも漫画盛りされている白米がある。
ちなみに、シオンさまのそれも同じような盛り方がされている…。
あと、私とデス、シュラさんの前には箸が置いてあるが、その二人の前には何故か、スプーンオンリー。
しかも、中々大きめの…。
スプーンの名称はわからないが、多分、普段私がカレーを食べるスプーンの二周りくらい大きい。
ぱちぱち、と瞬いて、それから、こういうことか、と気がつく。
ディーテさんとシオンさまは大食漢らしい。
ふ、と3人が扉を見た。
つられるようにそちらを見ると、シオンさまが楽しそうに入ってくる。
此方に気がついたのか、一度立ち止まってから、にこり、綺麗に笑った。

「待たせてしまったか?」

その問いに、何故か私へ視線が集中する。
一瞬固まってから、そんなことありませんよ、と告げた。
が、小さな動きも見逃さない人なのだろう、若干伺うように私を見ながら、空いた席に着く。
じ、と見られて、すまぬな、と謝られた。
これだけの量を作るのは大変だっただろう?
と続けられた言葉に、首を振る。

「手伝ってもらったので」

気にしないで下さい、と続けた。
数回瞬いて、そうか、と穏やかに告げたシオンさまがお誕生日席に座る。
それから、皆さんおもむろに食べ始めた。
…そうか、頂きますは日本の文化か。
思わず頷きながら、一人手をあわせた。
いつもの癖で軽く頭を下げ、目を瞑る。

「いただきます」

それから、目を開けて頭を定位置に戻す、とシュラさんと目が合った。
ぽかん、というよりはきょとんと首を傾げているその顔に、首を傾げ返す。
デジャヴュ…というより、むしろ天丼?
いやでも、別にボケとしてやった訳でもないし、違うか。
そして、関係ないお知らせをひとつ。
シュラさんのきょとんの首こてんが可愛い。
なんていうか、こう、隙が見えるというか、ギャップ萌えというか。

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