正義 | ナノ



057
しおりを挟む


「……マジですか」

そう問えば、アルデバランさんが不思議そうな顔をしながら頷く。
冷や汗が流れて、違和感がはっきりした形で見えた。
一昨日、私は一日部屋から出てこなかった。
それは、部屋で仕事をしていたからだが、私は、丸一日経っていたと気がついていなかった。
ってことは、一日仕事休んでるってことだよね?
だから、カミュさんがお昼一緒に食べようってメモ渡して来たし、ディーテさんが普通にご飯誘って来たのか!
で、あの眠さ…合点が行く。
他の皆さんが何も言わなかったのは私が落ち込んでいたと考えて、ってことだろう。
慌てて、執務室に続くドアを開ける。
と、扉の前に何故か全員集合。
が、そんなことよりも、謝罪をしなくてはならない。

「っ、すいませんでした!」
「氷雨?」
「一昨日、仕事もせずに…言い訳はしません」

首を振って、サガさんとカノンさんを見る。
二人はぽかんとして首を傾げた。
どういうことなのだ?とシャカさんが初めて話しかけてくる。
予想外の人物の問いかけにに吃驚しながら、答えた。

「一昨日、一日仕事していて…一日経ったことに気がつかなかったんです」
「て、ことは…お前、丸一日以上起きてたってことか?!」

ぐい、と割り込んで来たふわふわの金髪に吃驚しながら、そうなりますね、と頷く。
えーっと、ミロさんが凄いキラキラした目で見つめてくるんだか、何を求められているんだろう?
なんて思っていると、ミロさんが視界から消える。
どうやら、カミュさんに引っ張られたようだ。
軽く頭を叩かれ、む、とそちらを見るとため息を吐くカノンさん。

「食事は?」
「……えへ?」

笑って首を傾げれば、先ほどよりも深い溜息。
…やっぱり、えへはキツかったか。
そうだよね、もう私24歳だもんね…年を考えるべきでした。
気まずくなって目を逸らすと、低い、ディーテさんの声が聞こえる。

「氷雨?」
「は、はいっ」
「私は言ったよね?乱れた生活をするものではないって」
「い、われました…」

[前へ]/[次へ]

[ back to menu ][ back to main ]
[ 番外編に戻る ][ 携帯用一覧へ ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -