正義 | ナノ



043
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部屋で、私はため息を吐いた。
仕事、絶対終わらない…あんなことで時間が変に潰れるから…。
もう泣きたい…、まあ、明日から暫く部屋の前に仕事置いてもらうように頼んだから、部屋で集中して出来るけど。
それにしても、辰巳さんから送られてくる仕事の量が変わらないどころか増えてるってどういうことなの…。
ああ、もう、とにかく終わらせなきゃ…。


コンコン

何度目かの集中が切れた頃、時間が分からないがノックが聞こえた。
窓の外を見ると、明るい。
…あれ?
時計を見れば、朝の9時。
とりあえず、扉を開けると、誰もおらず、そこには仕事とメモ帳が置いてある。

『これが今日の分の仕事だが、もしよければ、執務室で一緒に仕事をしないか。』

……あれ?何か勘違いされてる?
別に、執務室行きたくない訳じゃないんだけど。
え?だって、仕事上の付き合いでしょ。
3ヶ月で私おさらばなんでしょ?
ん?かみ合っていない感じがあるが…。
誘われたし、行くか。
一度扉を閉めて、パソ子さんを取りにいく。
もう一度コンコン、とノックが聞こえた。
何?変更?と扉の近くにパソ子さんを置いて、もう一度扉を開ける。
やはり誰もいない。
メモ帳が変わっている。

『この間、言っていたことについてみんなで話し合った。
 だから、一緒に仕事しないか?』

……ん?
この間言っていたこと?
…ああ、異世界云々?別に妄言で処理してくれていいのに。
仕事できるけど頭可笑しいよねアイツ。
っていう反応で構わないんだけど…。
とりあえず、仕事の束を受け取り、メモに返事を書いておく。

『別に、妄言だと思っていてくださって結構ですよ。』

扉を閉めて、昼食を作った。
紅茶を入れていたら、もう一度ノック。

『君と一緒に仕事がしたい。
 今日、一緒に食事を摂らないか? カミュ』

………あれ?勘違い進行?
あと、ご飯は約束したよね…?
ん?何か勘違いなのかな?それとももう一度言っておこうってことなのかな?
まあいいか。

『少々御待ちください』

パソ子さんを持って、それから、今日の仕事とお昼ご飯と紅茶を持ち、部屋から出る。
眠さから目をこすった。
口元を覆い、あくびを隠す。
それから、眠気を覚ますため深呼吸して、執務室に向かった。
ノックをしてから失礼します、と声をかけて扉を開く。

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