正義 | ナノ



036
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その言葉に、ここに持ってこいと?と眉を寄せるが仕方ない、持ってくるしかないか…。
デスマスクさんが持ってるエロ本を借りる。
扉の奥に入り、せめて触れないように、その本の上にそうっと乗せた。
そして、それを持って行く。

「テメェ、俺の本…!」
「私にこれを触る度胸は無い」

思わず、敬語も無くし、差し出した。
縛ってあるビニールの上を解き、覗き込んだデスマスクさん。
唖然とした顔。
それを見たカノンさんが中を覗き込んだ。
瞬間、くるりと振り向き、サガさんに告げた。

「サガ、ちょっと来い」
「?なんだ、カノン」

立ち上がり、やってきたサガさんにカノンさんが、無言で本ごと差し出す。
受け取るサガさん、中を覗き込む。
顔が青くなり、膝をついた。
ぼと、と落ちたそれから、コロコロとそれらが出てくる。
バイブとローター。
あ、明るいとこでみたら未使用っぽい?
…とりあえず、目を逸らしておく。

「流石に目は逸らすんだな」

ふと、デスマスクさんが私に向かって言う。
逆にガン見してたら嫌だろ、興味あるみたいじゃん。
なんて思うが、言える訳が無く。

「羞恥心が無い訳ではないので」

なんて、微妙な返事。
しかし、今までサガさんの反応がないことが問題だろう。
折角見せないようにしてたのに、もしも、もしもだよ、昔サガさんが黒いときに買って使ってた奴だったら…。
もう、恐怖しか覚えないじゃん?
嫌だよ自殺とか。
つーか、まだ執務室全員残ってるって可笑しくない?
シャカさんとムウさんとアルデバランさんアイオロスさんは遠くから監視してるみたいにみてる、けど。
あ、アイオリアさん真っ赤になってる、かわいい。
なんて思ってると目の前に影が出来た。
ふ、と見上げてみると、優しい笑顔を浮かべた麗人が。

「ディーテさん?」

近づいた彼は、にこり、綺麗に笑って、私の眼鏡に手をかけた。
す、と取られたその眼鏡にキョトンとしていると、ふふふ、と美しく笑う声が耳に入る。
ふと、気がついた。
彼は、アレらを見なくていいようにしてくれたのだろう。

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