正義 | ナノ



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なんだかんだと、平和な日常を過ごしている…と思う。
ディーテにデスとシュラの3人とは相変わらず毎日顔を合わせているし、カミュとの言語教室も楽しく進んでいる。
サガさんとカノンさんと仕事の話をすることも多くなったけど、それは誰にどんな仕事を任せられるか、という前向きなものだ。
ミロさんとリアの書類処理も大分成長して、もう私が口出しする必要もないくらいになっている。
リアとアイオロスさんのギクシャクした感じは正直もう関わりたくはないんだけれど…どうなっているのだろうか。
シオンさまと童虎さまはあまりこちらに関わってはこないけれど、たまにお茶に誘われることがある。
多分、黄金聖闘士たちのことが、心配なのだろう。
ムウさんとアルに頼まれたことをやり遂げた後、今までを軽く振り返ってそう思う。

「3人ともありがとう」
「気にしなくていいよ」

ふふ、と綺麗に笑うディーテには勝てる気がしない。
私の頬を擽るように指で撫でて、それから、視線を二人に向けて、ねえ?と首を傾げた。
その動きでさえ美人だと思っていれば、二人も頷いてくれて、あちらから、こちらから、と手が伸びてくる。
頭を撫でられるほど、幼いつもりはないのだけれど…まあ、いいか。
と、思っていたのだけれど、最近ちょっと様子がおかしい。

「…どうしたの?」
「いや、なんでもない」

シュラが、不機嫌そうなことが多いのだ。
目があって、ふわり、と儚く小さな笑みを浮かべてくれるようになったのはいいのだが…そこではない場所で。
この間のお昼寝の時からだろうか。
妙にデスに突っかかることがあるの…ただ、デスはそれに気がついているようだけど、何もしていないし。
ディーテもそんな二人を眉を寄せてみるけど、口には出さない。
…私が、いるからなのだろうか?
それならば、きっと時が解決してくれるものだろうし、下手に口を出したらこじれる。
でも、それで本当にいいのだろうか。
確かに、私は客だ、家族ではないし、そうなろうとも思っていない。
だけど…その家族を引っ掻き回していいはずもないじゃないか。

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