正義 | ナノ



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素直に伝えておく。
絶対あの二人の方が料理上手い。
っていうか、デスの料理の上手さは異常、店持てそう。

「仲が良いのだな」
「年齢が一番近いので、それもあるんだと思います…世話焼きが多いですし」

いつも通りに肩をすくめて、料理を並べて、席に着く。
いただきます、と手をあわせると童虎さまは懐かしそうに目を細める。
多分、紫龍君を懐かしんでるのかな、と思いながらぼんやりとその姿を見つめていた。
ら、何故かシオンさまが私の名前を呼ぶ。

「はい?」
「すべて知った上で、この聖域で生活するのは、辛くはないか?」

…重っ!
食事のときにする話とは思えないくらいに重たいんですけど。
なんて思いながらもへらりと笑う。

「私は一時的に此処に居るだけですから、私よりも聖闘士である皆さんを優先してください」

正直そんなに気を使ってもらっても生活しにくくなるし。
そう言う特別扱い要らないです、腫れ物を触るようなというか…あれ結構精神にクるんだよね。
なんて思いながら、不思議そうな顔をするシオンさまと視線をあわせる。

「聖闘士を優先…か」
「ええ、聖闘士の皆さんの家は聖域でしょう?」
「家…、」
「客は家訓にも、家の本質にも関わることはありません。若干の侵入はしますけど」

肩をすくめてから、肉じゃがに手を伸ばす。
うむ…中々の味付けに出来た。
こっちに来てから4日に1回は夕食作ってるから料理の腕が少しあがったかな…?

「侵入されても、一時的なものですから。いなくなって時間が立てば元に戻ります」
「…聖域から、出るつもりなのかの?」
「ええ、三ヶ月、と沙織様に言われていますから」

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