正義 | ナノ



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へらり、笑ってみせる。
元々今までの生活は高校大学とバイトで稼いだお金+過去の仕送りで生活しているし…。
大抵のことのすべてが経費で落ちる恐怖によって、給料が振り込まれている通帳にいくら入ってるのかわからない。
一応保険とかは新しい仕事用の口座から落ちているとはいえ、それくらいしか落ちていないのも事実。
結果的に…うん、なんていうか、うん…溜め込んでいるのはわかってるんだ。
わかってるんだけど、いくら入ってるのか正確に知らないし、使う機会がない。
使う機会がないから使い方がわからない。
正確な金額がわからないから、何かを買おうとも思えない。
ついでに、金額がわからないのは忙しくて通帳を記帳していないのと、給料明細が実家に届いている所為でもある。

「今度さおちゃんと星矢君たちに遊園地の入場券でもプレゼントしようかな…」
「今は、お前の休みの話をしているはずだが、」

ジト目で私を見てくるカノンさんに、こくり、と首を縦に振る。

「もちろん、一緒に行きたいからですよ」

へらり、笑ってから気がつく。
…そうか、夏休みは日本な訳だし…行けるのか。
じゃぁ、今から予定あわせてもらわなくちゃ…あ、でも明日の伝言が、夏休み会えないとかだったらどうしよう。
明日の伝言聞いてから、さおちゃんに連絡して、他の皆にも連絡する形かな…。
わー、楽しみだなぁ!

「随分と、楽しそうな顔をするんだな」

しみじみと、というか、驚いたようにじっと見つめられて、ぱちりと瞬く。
頬を触るが、別にニコニコしている訳でもない。
首を傾げてカノンさんを見上げると、首を左右に振られる。
何だその反応、なんて思いながら、ハッと気がついた。

「カノンさんも遊園地行きたいんですか?」
「…どうして俺が出てくる」
「サガさんとの思い出作りとか?」

ミロさんがぶふぅっ、とあからさまに吹いた。
カノンさんが酷く嫌そうな顔をして、サガさんを見る。
サガさんも同じような顔をして、カノンさんを見つめていた。

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