籠球 | ナノ



眼鏡キャラ


「あのなぁ、白雲、」
「…なんですか、日向くん。」

不満そうな表情をして、同じクラスの白雲氷雨は睨め付ける様に俺を見た。
その表情にはありありと不満が見てとれる。
思わず目を逸らし、その頭に手を伸ばした。
厭がる氷雨の頭をぐい、と無理矢理に撫でるようにして、目線をあわせる。
前髪の部分を掴むように上を向かせて、にっこりと笑いかける。

「返事は早めに…当たり前だろう?」
「ぃたっ、だから、なんですか?」
「ほーう?シラを切るつもりか?」

ぐい、と鼻が触れそうな程に顔を近づけると、流石にヤバいと思ったのか表情が変わる。
しかし、不快そうな表情は変わらず、嬉しさで口元が緩んだ。
そんな俺を見て、彼女の顔色が悪くなる。

「っ、」
「じゃぁ、勝手に返事決めるぞ…?」

自分の眼鏡を外して、唇に噛み付く。
何の抵抗もないその様子に、内心笑った。
ふと、目の前の氷雨が真っ赤になって、目に見えてテンパる。
喋れる程度に、少しだけ離れてやれば、真っ赤なまま何か言いたげに俺を見た。

「なんだ?」
「っ?!」

俺の手をがしり、と掴んで、無理矢理引きはがそうとする、が…女子の力に負ける程、柔ではない。
てか、案外力ないんだな…、可愛い。

「お、ま…本当に私と同い年…なんでしょうか、日向くん。」
「ああ、白雲と同様、正真正銘17歳、高校2年だ。」

ひく、彼女の頬が引きつった。
その反応に眉を寄せれば、その隙に距離を取られる。
びし、と音がなりそうな勢いで、指を突きつけられた。

「嘘だ!」
「は?」
「その鬼畜眼鏡感、絶対に18越えてる、R指定だ、リコー!!」

ウサギかなにかのように走って行く後ろ姿を見て、眼鏡をかけ直す。
ふ、と笑んで、彼女が向かった自分の教室に足を進めた。

眼鏡キャラ

(「リコー!日向が、日向が、」)
(「は?日向君がどうかしたの?」)
(「鬼畜だよ!怖いです。」)
(「何言ってんの、アンタ。日向君は確かにブラックになることもあるけど、基本的には問題ないでしょ?」)
(「そんなことない、アイツは鬼ちk」)
(「どうした?氷雨、カントク」)
(「ひぃいぃいいいいいっ、てか、名前!?」)
(「付き合ってるんだ、いいだろ?」)
(「あ、やっと付き合い始めたの?おめでとー。」)
(「え?え?!」)

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