「おはよ!」
「おはようー」

 デジャブだったら申し訳ない。
 朝。
 教室に入るなりサクがなついた犬みたいにやってきた。
 お、これはこのこもうちと同じタイプで居心地がいいと思ってもらえたかな?

 そしてサクと話しながら席に荷物を置く。隣にはすでにオミもいた。

「ラン、おはよう。」
「おはよー。」
「あ、ランの友達?!あたしは糸由サク!よろしくね!」

 …なぜサクはこの社交性を持ちながらうちの友人とわかるまで友達になろうとしないのか。。。

「うん。わたしは室玖オミ。よろしく、サク」
「ええ!」

 ………そんなわけで、なんだか今年はこの3人がおもなグループになりそうです。

「あ、おはよう弥蜂ー」
「あ、いたんだーやまみくん」
「うわひでえ」
「ごめんー」

 笑いながら、おはよう、と返す。
 …山見くんは割と絡んでくるタイプだ。イケメンはギャル系のところにおとなしくいればいいものを、と思わなくも無い。

「なんだよカイ、 すでに女子とも仲良しかよ」

 なんて男友達にいじられてた。

 サクとオミはなんだか気が合う様で、仲良さげに話している。


「あ、そうだ。昼も一緒に食べていい?」
「あ、あたしも!」
「うん、いいよ。是非!」

 というかそのつもりだったよ。そう言ってくるとなんとなくわかってたから、なんて言わなくて良いことは言わないで置く。

「あのさー」

 とんとん、と肩を叩かれる。
 ほぼ反射的に営業スマイルしながら振り向く。きっとサクとオミを見てる勢だったから話しかけやすかったんだね。

 なあに、と聞けばしらない男子。
 なんや誰や。

「弥蜂さんって部活とかはいってんの?」

 だからおまえ誰やねん!
 …なんてもちろん言いませんけどね?

「え、入ってないよー。帰宅部ー」
「まじか!」
「うん」
「あんがとなー」

 結局男子はなんだか分からんまま去って行った。だからなんやねん!!!

「…今のだれ?」

 オミが言う。ありがとう、私もとても思ったよ。うん。

「あたしクラスのひとはオミとランとアイしか分からないわ!」
「なぜそれで威張っちゃうの」

 なんとなくサクはアメリカンテイストというかなんというか。外国人的なノリだよね、基本的に。

「あれは吉川ー。」

 山見くんが言う。

「そうなんかー、ありがと!」

 そういや聞いたことある気がするな、吉川。うん。

「そんなことより1時間目って何?」
「あー、なんだっけ。英語?」
「古典だったわよ?」
「うえー、まじかあ」「げー」

 そろそろチャイムもなることだし、とお開きとなった。

 って言ってもサクが席に帰っただけで私たちは話し続けてるけどね。





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