「おはよー。」「はよー。」

 隣のクラスの、否、今日クラス発表があるから一応元、だろうに在籍していた友人と待ち合わせて学校へ向かう。

 初の進級、ということもあってか、緊張しているようなしていないような。

 まあ、クラス発表に対する恐怖はありすぎるほどにあるんだけどね。

「今日帰りさあー」「おーいいよー。」

 友人から、お昼ご飯の誘い。
 この間新しく入ったコーヒーショップに顔を出して見たかったのだとか。

 そんな話をしつつ、前年のクラス教室の前でさようなら。
 前のクラスに行ったん集まってから、その中で発表をするらしい。

 去年の担任がやってきて、挨拶もそこそこに発表を始めた。
 ちくしょう、そんなクールなとこがたまらんね、桜子!(担任は東桜子という。)


「はい、じゃあ以上なので、各自クラスに移動してください。」

 桜子が淡白に言う。担任はまだ発表されていないので、そわそわしながらみなクラスを移動し始める。

 私は1年の時に同じグループだった子はいなかったけど、それ以外で普通に混ぜてもらえる感じの子はたくさん同じクラスだったので一応は大丈夫だと踏んでいる。

 ということで、お隣のグループだった森ガールのあみちゃんと話しながらいっしょにc組へ向かう。

 担任、桜子がいいなあ…。





「…えー、まあ、授業もしてましたし皆さん知ってると思いますが、東桜子です。ことし1年のc組の担任になりました、」


 入ってきて、桜子がいう。
 途端に、よっしゃ、と上がる幾つもの声。桜子は終わるのが早かったりHRでも用事が無かったらさっさと職員室に帰ってやりたい放題出来るので人気はそれなりにある方だ。

 私も、それと合わせてよっしゃ、ともらす。1番前の席が当たってしまったので桜子に直で今年もよろしくー!とか言いながら。

「いい先生なの?」

 隣から男の子が話しかけてきた。コミュ障な私は一緒心の中でだけびくついて、そして笑顔で振り向く。

「うん、帰りとかすぐ帰らしてくれるし!」
「へえ、」

 はたり、と目が行く。

 まだ寒いかな、って感じの気候なのにその子はカーディガンだけで、しかもうでをまくってる。男子なのに珍しいな、カーディガン。

 そう思っていたら、足元。

 ……スカート!

 どうやら失礼なことにその黒髪ショートでちょっと美人系のイケメン男子だと思った(声もちょっと高い男子かもしくはハスキーイケメンなお姉さんって感じだった)その人は、女子だったらしい。

「あ、びっくりした?私、女なんだ。」
「あ、いやいや、」

 失礼なことした自覚はあるので否定しておく。一応はね。

「まあ、なれてるし、女の子扱いよりそっちのがありがたいからいいんだ。
 室玖、オミ。よろしく。」
「うん、よろしく。私弥蜂蘭子」
「ラン、ね。あ、戸惑うだろうしちゃんは嫌だからオミってよんで」
「あ、うん、よろしく!」

 オミ…、が、にっこりと笑う。
 どっからどうみても爽やかイケメンだわこの人。そしてギャル系グループとも仲よさそう。

「オミは前何組だったの?」
「いや、私去年舞滝じゃ無かったんだ。転校してきた。」
「…!あ、そうなんだ!」

 そんなことってあるんだ。
 ってことはもしや、

「だから、ランが友達第1号」

 爽やかイケメンスマイル。
 やっぱりか。いいねえ、そういうの人。出来る限り私はギャル系とは関わりたく無いんだ。おとなしい人の中で暮らしたい。人のことを"あいつ暗い"って笑う人が苦手なんだ。だからそういう固定概念の無い人はとても関わりやすいね。

 そっか、嬉しい。よろしくね、とにっこりと返して置いた。

 これはオミをこちらに引きずりこむしかないねえ。
 あ、やべえ私ゲスかもしらん。


 あ、あとうしろの席の山見くんと話したよ。イケメン系でちょっと苦手なタイプだけどね。

 多分普通にいい子なんだと思う…よ…。





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