【SSL・風間さんとお千ちゃん】
「…またてめえか。うちの生徒に手を出すんじゃねえ。帰れ」
「土方先生!」
「ふん、お前も分からぬ奴だ。その娘は俺の嫁になることが決まっていると言っている」
その傲慢ともいえる言葉を口にしたと同時に、背中に走ったのは衝撃。
「…なに?」
風間が振り向くと、鬼の表情をした鈴鹿千姫が立っていた。
(殴った!?)
その迫力に、千鶴と土方が一歩引く。
「…なんだ娘。おまえなどには用は」「うるさい」
さらにもう一撃、みぞおちに拳骨を見舞う。
「ぐふっ…」
「あんた、こないだもフォークダンスの時乗り込んできたでしょ?少しはこの子の迷惑考えなさいよね!」
どうやら彼女は、その際に風間を敵と認識したらしい。
「お、お千ちゃん落ち着いて!」
「貴様、よくもこの俺を」
「うるさいって言ってるでしょ?」
いいから帰りなさい、と、耳を引っ張って連れて行ってしまった。
「あ…行っちゃった」
「まあ、いいんじゃねえか」
あっけに取られて、その場に残される二人である。
そして同じ時、騒ぎを遠巻きに見ている影が二つあった。
「斎藤、見た?あれ」
「ああ、風紀委員にはまたとない逸材だ」
「あの白ランのストーカー野郎にはちょうどいいかもね。スカウトを検討するよ」
ほとんど妹の身を守るだけのために、薫は鈴鹿を風紀委員に引き入れることを決意するのだった。
end.
2010/09/26/Twitter