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空座町カラクラチョウ 午前2時23分 金曜日。

ひらひらと闇夜を舞う黒揚羽クロアゲハ。それは一定のリズムで闇夜を舞っている。

『・・・地獄蝶・・・死神が近くにいるのか。』

そう呟くと地獄蝶を眺め、眉を顰めた。

地獄蝶とは、現世までの死神の案内と伝令の役割を兼ねた黒揚羽のこと。

私の霊圧はあいつが作った霊圧制御装置付き義骸によって完全に消えている。気付かれることはない。そうなると・・・。

『これから近くに虚が出る。』

まぁ、これから来る死神が魂葬するだろーから心配ない。

そう思い、その場を離れ、部屋へと向かった。

『!?・・・大丈夫よね・・・?』

自室へ着いた頃、虚の霊圧を感じた。その感じた場所が一護の家だったから、心配になった。

虚は霊的濃度の高い魂を好む。以前から高かった一護の霊圧が、最近特に高くなっていた。だから、虚に狙われたのだろう。まっ、死神もその場にいるから大丈夫だと思う。だけど、何故か胸がざわつく。この胸のざわつきはどうしてなのか。不安になる。そんなことを考えていると一護と死神の霊圧が下がった。

『あんな虚を魂葬出来ないほどあの死神の霊圧は弱くない。』

ならなぜ?霊圧が下がってる?

私は無意識のうちに唇を噛み締め、いつも首に着けているネックレスを握りしめていた。

私が助けに行けば、助けることは可能だ。しかし、今ばれるわけにはいかない。そしたら今までが無駄になってしまうかもしれない。どうすればいい・・・?

『!!!!????・・・・この霊圧は・・・』

これは一護の霊圧。急激に上がっていく霊圧に驚く。あっという間に虚の霊圧が消えた。一護が虚を魂葬したのだろう。死神の霊圧が急に無くなったことを踏まえると、その死神が霊圧を一護に譲渡したと考えられる。でも・・・

『人間への霊圧の譲渡は重罪だよー?大丈夫かなー?』

結果的には虚は倒れ、一護達は助かった。

今まで止まっていた歯車が

今、動き出す。

これから起こるであろう戦いに向けて、静かに前を見据えていた。自分が望む世界が来るように。

To Be Continued.
20.10.16 up
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