04


放課後の帰り道、ざわざわと騒がしい。

『何かあったのかなー?』

まっ、関係ないかっ!と呟いて、帰路を急ぐ。ここの所、虚が増えた気がする。面倒ごとにならないと良いけどね。どちらにせよ、一護が魂葬するんだろうけどっ!

ピピピピッ・・・!!

家に帰って着替えていると携帯が鳴った。

『・・・んー・・・だ〜れ〜・・・一心・・・』

携帯の表示画面には一心≠フ文字。

え・・・あいつからとか・・・マジ、何?怖いんだけど。

『何?どーしたー?』

一心「おう。悪いが・・・来てくれねぇか。」

『えぇー・・・何でー?一心の仕事でしょ〜?』

一心「・・・チャドくんが虚にやられた。」

『・・・はっ??!!』

一心から言われた言葉に一瞬、頭が真っ白になった。今何て言った?チャドがやられた?誰に・・・?虚、に?え、何で?どうして?あのインコが関係あるの・・・?

一心「・・・い・・・・・・おーい。穂奈美?・・・戻ってこーい。」

電話の向こうから聞こえてくる一心の声でハッとする。今、考えたってしょうがない。

『・・・悪い。で?チャドは?』

一心「命に別状はないが・・・傷口が酷くて出血が止まらないんだ。俺にはどうしようもなくてな。」

『分かった。今から行く。』

それだけ言うと通話を切った。そのまま一護の家へ向かった。チャドまで虚に関わっている。この間は、織姫だった。そして、チャドまで。虚に殺される人間がいないわけではないけど・・・なんだか、嫌な感じなんだよな〜・・・。なんて言っていいのか分からないけど。何かが起きてるってそんな気がする。そんなことを思っているとクロサキ医院に着いた。診察室の中には、一心の霊圧しか感じない。一護や夏梨ちゃん、遊子ちゃんは部屋にいるみたいだね。

『・・・一心?来たよー?』

一心「おう。よく来たな。・・・こっちだ。」

クロサキ医院の中に入り、一心に声をかけると、チャドの所に案内してくれた。2人の時は一心を呼び捨てにするが、誰かがいる時はおじさん≠ニ呼んでいる。一護達は私達が死神であるなんて知らないし。昔からの知り合いなんて知らない。てか、現世のこの年齢で知り合いって可笑しいし、一護とは幼馴染なんだから幼馴染の親として接するしかないしねっ!
病室のベッドに寝ているチャドの所についた。その背中あたりから虚の気配が残っている。ここまで残っているとなるとまぁまぁ強いのか。

『蘭舞踊 晃壁コウヘキ!! 蘭舞踊 癒樹ユジュ!!』

あなり軌道は使いたくないけど・・・仕方ない。桜蘭隊として働いていた頃に使っていた私達にしか使えない蘭舞踊。この軌道を使えばルキアちゃんにも他の死神にもバレないだろう。
その軌道を使い、チャドの傷を治療していく。確かにこの傷は酷い。一心が私に頼むのも無理はない。それにしても何故・・・?

『・・・ねぇ、大丈夫そう?』

診察室の机で書類を書いている一心に向かって、話しかける。

一心「あぁ。大丈夫だろ。」

『そう・・・』

一護を心配してるって分かってるんだろ。私の事を昔から知っているから。全部を言わなくても分かってくれる。本当に安心する。というより、甘えてるんだろーなー・・・。

『・・・よし。後は安静にさせておいて。』

一心「おう。ありがとな。」

治療が終わり、軌道を解く。ふぅっと息を吐く私に近付いてそう言いながら私の頭を撫でてくれた。嬉しいような恥ずかしいような照れ臭いような・・・そんな感情が込み上げ、へへっと笑ってしまう。

『じゃあ、私は行くね。』

一心「・・・一護に会っていかないのか?」

手を振って帰ろうとする私にそう言ってくる一心。

『今、行ったら気まずいだろ?』

ハハっと笑い一護の部屋の方を指さす。それにそれもそうだな、と同意した一心を見て後、帰路についた。

まぁ、多分・・・チャドはあのまま大人しく寝てはいないだろーな。隙をみては、一護に迷惑をかけない為に出ていく。でも・・・チャドは視えないのにどーするんだろーねぇ。何もできない事を悔しく思う。力はあるのに。助けたい人・大事な人なのに。私が助けて・・・もしもあいつらにバレてしまったら・・・私を助けて現世に逃がしてくれた副隊長に申し訳が立たない。それに今まで護廷隊の皆を騙してまでここにいる意味もなくなってしまう。

ああ。何てもどかしいんだ。

そう思っては綺麗に輝く月を見上げ、睨みつけた。

To Be Continued.
20.10.17 up
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -