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もうじき。もうじき。そっちに帰るよ。帰って終わらせよう。あいつとの戦いを。

喜助「穂奈美さんも行くんですね?」

『あぁ。そう言ってるだろ。こんな異例な事態が起きてんだ。あいつ等が動き出したに違いない。それなのにいつまでもこっちに居たんじゃ話にならないだろ。それに私が帰らないとあいつらが動けないしな。』

喜助「そーすか。でも、一緒に行くことはないんじゃないですかね。」

『あーまだ、ばれたくないんだよ。それに旅禍として入った方が何かと面白そうだしなー(笑)』

喜助「ハハッ。貴女らしいですね。」

それじゃ、穿界門センカイモンが出来たら知らせますよ。と言い、喜助はその場を去った。


――――・・・


雲1つない綺麗な星空。ゆっくりと眺めていられるのもこれが最後になるだろう。

『出来たのか?』

喜助「はい。」

木の枝の上に座り、夜空を見上げていた所に喜助が来た。それを察知するや否やそう尋ねた。

『そう・・・』

喜助「さぁ、行きましょうか。」

スタッっと横に降りたのを見た喜助は、歩き出した。その後ろを黙ってついていく。

『喜助。お前は何故、一護達を手伝う?』

喜助「いやだなー。穂奈美さん。別に深い意味なんてありませんよー。」

『・・・あいつらがルキアちゃんを狙う理由となんか関係があるんじゃないのか?』

違うかと言いたげな、目で喜助を睨む。私がどこまで分かっているのか、喜助には想像もつかないだろう。

喜助「ただ純粋にアタシは黒崎さんの力になりたいと思っているだけですよ。」

『あっそ。』

これ以上聴いたとしても喜助は言わないだろう。もうここは諦めるしかないか。

喜助「(すみません。穂奈美さん。貴女には嘘をつきたくないんですが。ワタシの口から言えば嫌われてしまうと思うと怖いんです。ワタシの我儘で言わずにすみません。)

お―――――っ。全員、揃ってるっスね。結構。結構V」

そんな会話をしているうちに浦原商店へついた。そこには既に一護や織姫、チャド、石田君が揃っていた。

石田「え?何で君がいるんだい?名倉さん。」

一護「穂奈美・・・。おい!どういうことだよ!何で穂奈美を連れてきたんだよ!」

織姫「穂奈美ちゃん・・・どうしてここに?」

チャド「・・・・・・ム・・・」

喜助の後ろから姿を現した私を見て、そこにいた一同は困惑している。まぁ、それはそうだろう。霊圧のない私がここにいること自体おかしいのだから。

『なーに言ってんの?石田君。一護。織姫。チャド。私も一緒に行くからに決まってるでしょ?

ほら!早く中に入ろ!!戸魂界ソウル・ソサエティへ行く方法を話してくれるってさ!』

喜助「ちゃんと聞いといてくださいよぉ。でないと、戸魂界むこうへ着く前に死ぬことになる。」

そう言って、喜助は中に入っていった。それに続いて後を追う。一護達は困惑していたが、今何言っても聞かないだろうし、中に入るのが先決だと思い、後を追った。各々、自分が守ろうとそう心に誓って。

織姫「すご――――い!!あの店の地下にこんなでっかい空間があるなんて!かっこいい!秘密基地みたい!!」

一護「そうか?」

浦原商店の地下にある空洞へと降り立った一護達。織姫は空洞を見た瞬間そんな感想を述べた。その織姫の反応にテッサイが嬉しそうにしてる。自分が苦労して作った物を褒められて嬉しいんだろうね。とはいっても、織姫の感性ってちょっとズレてるからなぁ・・・逆に嬉しくないかも。

喜助「はいはい。皆さーん!こっちにちゅうも――――くVいきますよ―――V」

喜助がパチンと何かのスイッチを押すとどこからか石の枠みたいなのが現れた。

喜助「さ。これが戸魂界ソウル・ソサエティへ続く門。穿界門センカイモン。よ―――く聞いといてくださいね。これから教えるのは、この門を死なずに通り抜ける方法ッス。」

喜助の言葉に皆、真剣な表情となった。さぁ、もうじき始まるよ。宴の時間だ。最高の舞台で貴方を倒してあげるから。それまで舞台を整えておいてね。

To be continued.
20.11.14 up
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