06 長鼻少年とお嬢様
ウソップと話を行い、腹を満たす為、ルフィとユキナ達は、村のめし屋へと来ていた。
ウソップ「仲間とでかい船か!」
ルフィ「あぁ。そうなんだ。」
ウソップ「は――っ。そりゃ大冒険だな!!」
ルフィは肉をほうばり、ゾロは酒を飲み、ナミとユキナはウソップの話を聞いていた。
ウソップ「まぁ、大帆船ってわけにゃいかねぇが、船があるとすりゃこの村で持ってんのはあそこしかねぇな。」
ナミ「あそこって?」
ウソップ「この村に場違いな大富豪の屋敷が一軒たってる。その主だ。だが、主と言っても、まだ、いたいけな少女だがな。病弱で・・・。寝たきりの娘さ・・・!!」
ウソップの言葉に疑問を持ったナミがどうして、そんな
娘がお屋敷の主なのか、訊く中、ルフィとゾロは肉と酒の追加注文をしている。そんなゾロとルフィにウソップが聞いてんのか、と突っ込んでいた。
『なぁ。その
娘は、前からその屋敷の主だったのか?身内はどーなってる?』
今まで黙って聞いていたユキナが静かに口を開いた。その言葉にナミはどういう事だ、と呟く。
ウソップ「!お前、察しがいいな。そうだ。その
娘には両親がいた。・・・・・・もう一年くらい前になるかな。かわいそうに。病気で両親を失っちまったのさ。残されたのは莫大な遺産とでかい屋敷と十数人の執事達・・・!!どんなに金があって贅沢できようと、こんなに不幸な状況はねぇよ。」
ナミ「・・・・・・やめ!」
「「「!?」」」
ナミはウソップの話を聞いて、バンッと机を叩いてそう言った。
ナミ「この村で船の事は諦めましょ。また別の町か村をあたればいいわ。」
ルフィ「そうだな。急ぐ旅でもねぇし!肉食ったし!いっぱい買い込んでいこう!」
ウソップ「ところでお前ら、仲間を探してると言ってたな・・・・・・!」
ルフィ「うん。だれかいるか?」
ウソップ「おれが船長に、なってやってもいいぜ!!!」
「「「ごめんなさい。」」」
ウソップ「Σはえぇな、おい!!」
そんな4人の様子を見て、ユキナはふふふっと楽しそうに微笑むのであった。
――――・・・
「「「ウソップ海賊団、参上っ!!」」」
ウソップが去り、ユキナ達がしばらく話しているとそこへあの時の子供が3人やってきた。そんな子供達にナミはなにあれ、と呟き、それに答えるようにルフィがさー、何だろうな、と呟いている。
『(さっきの子供達か・・・)』
子供達がウソップがいない事に気付き、やられたのか、ウソップをどこへやった、返せと慌ててそう言っているが、それを見計らったかのようにルフィが声を上げた。
ルフィ「は―――っ。うまかった!肉っ!!」
にんじん「Σ!!」
ぴーまん「え・・・にく・・・って!?」
たまねぎ「まさか・・・キャプテン・・・・・・!!」
そんな勘違いをしている子供達にユキナとナミは笑う。
ゾロ「お前らのキャプテンならな・・・」
「「「な・・・何だ!!何をした・・・・・・!!」」
ゾロ「さっき・・・・・・・・・食っちまった。」
「「「!!!ΣΣぎいやあああああ。鬼ババァ〜〜〜〜〜っ!!!」」」
ナミ「ΣΣ何で私を見てんのよ!!!(怒)」
子供達はゾロの言葉にナミを見て、泡を吹き、気絶してしまった。
『ふふっ♪子供には刺激が強かったよーだな。』
ナミ「あんたがバカなこと言うから!!」
ゾロ「はっはっはっはっはっは!!(笑)」
暫くして落ち着いた子供達にルフィ達は、ウソップが出て行った経緯を話した。
ぴーまん「時間?」
ゾロ「ああ・・・そう言ってさっき店から出てったぜ。」
ぴーまん「あ、そうか。キャプテン、屋敷へ行く時間だったんだ。」
ナミ「屋敷って、病弱そうな女の子がいるっていう?」
にんじん「うん。」
ルフィ「何しに行ったんだよ。」
にんじん「うそつきに!」
『ウソ?』
にんじん「そう!いつも、うそつきに行くんだ!」
ルフィ「だめじゃねぇか。」
ダメじゃない、立派だ、と次々に言う子供達にルフィは頭に疑問符を浮かべている。そんなルフィ達にぴーまん達はウソップが何をしに行ったのかを話してくれた。そんなウソップの行動にルフィは偉いじゃん、と褒めていた。
ナミ「へー。じゃあ、お嬢様を元気づけるために、1年前からずっとウソつきに通ってるんだ。」
ぴーまん「うん。」
にんじん「おれはキャプテンのそんなおせっかい≠ネ所が好きなんだ。」
ぴーまん「おれはしきり屋≠ネとこが好きだ。」
たまねぎ「ぼくはホラ吹き≠ネとこが好き!!」
ゾロ「とりあえず慕われてんだな;;」
『ふふっ♪』
ルフィ「もしかして。もう、お嬢様元気なのか?」
にんじん「うん、だいぶね。キャプテンのおかげで!」
ルフィ「よし!!じゃあ、やっぱり、屋敷に船を貰いに行こう!!!」
ナミ「だめよ!!さっき諦めるって言ったじゃない!!」
言い出したら聞かないルフィはナミの制止の声等お構いなく、ぴーまん達に屋敷への案内を頼んでいた。そんなルフィ達はぴーまん達の案内の元、お屋敷の前にきていた。
ルフィ「こんにちは――っ。船くださーい。さぁ、入ろう。」
ルフィはそう言い、門を登る。そんなルフィの行動にぴーまんがあいさつした意味あんのか、と呆れ、ナミは止めても無駄か、と頭を抱え、ゾロとユキナはルフィだから付き合うしかないとその行動を見ていた。