この学園で行われている事は他の学校には知られていない。知られないようにしているからだ。この地獄のような日々が速く終わればいいのにと願っている者が何人いる事だろう・・・
第0話 プロローグ
ヒュー・・・ッ!!グチャ・・・ッ!!
とある学校で1人の少女が屋上から飛び降りた。誰もいない学校から。これは自殺なのだろうか。はたまた、他殺なのだろうか。それは誰も知る由もなかった。
「・・・っ・・・う、そ・・・どうして・・・?どうして、なの・・・?」
「・・・悪い・・・守り切れなかった・・・」
至る所に傷、打撲痕、切り傷等の様々な痛々しい傷を残し、彼女は永眠している。そんな姿の彼女を見て、泣き崩れる1人の少女。そんな少女を申し訳なかったような、やり切れない、悔しい、そんな表情をして見守る少年がいた。
「・・・ねぇ。何が起きたのか教えて。」
静寂の中、静かに呟かれた声。何を想い、何を決意したのか。少女はこんな姿にした者への怒りで満ちていた。そして、自分への怒りもあった。何故気づいてあげられなかったのか。自分なら助けられたのではないか。と後悔しかなかった。
「・・・そう・・・」
真相を聞き、ギュッと掌を握りしめる。
「・・・ねぇ・・・手伝ってくれない?」
「あぁ・・・良いぜ。」
何を考え、何を想い、行動するのか。その強い瞳に映しているものは一体、何なのであろう。
「計画はできた。後は行動するだけ・・・」
復讐を考えた少女はこれからどう行動していくのであろう。その事を彼女は望んでいるのか?それは誰にも分からない事。
「出発するよーっ!早くバスに乗りなっ!」
さぁ、合同合宿が始まる。地獄への扉が今、開かれた。
騒がしいバスの中、皆はまだ知らない。これから行われる合宿で何が起きるのかを。だだ1人。この事を知っているものは静かにバスの中の皆を見守っている。いつもは皆と一緒に騒いでいる少女が騒いでいないことに気付かない者達。その事がこの地獄を左右するのだろうか。それはまだ、誰も知らない。
to be continued.
11.08.03 up
20.10.08 修正
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