部室につくなり、ドアを勢いよく閉められた。
「あんた、どういうつもりよっ!」
「えっ?」
先程までとは豹変して見るに見れない顔になる。ほんと酷いな。これが本性か。
「転校して来た途端、私の景吾を取ってっ!景吾もテニス部も皆皆、私のものよっ!!?」
腐っている。ここまで腐っていたら救いようがないな。えーっと、依頼は何だったか?東條は・・・何にも聞いてないな。
呆れながら聴いていたら東條はボトルを手に持った。
「あんたも茜と同じようにしてあげる。徠歌が大好きな景吾や皆に嫌われてぇ?」
嘲笑う東條はドリンクを自分にかけてボトルを私の足元に投げた。
「きゃぁああああーーっ!?」
耳障りな甲高い声が辺り一面に響き渡る。それを聴き付けたテニス部が部室に走ってくる音がする。ドアが開き、部室に入るなりその場の光景を見て驚く部員達。
「どうしたん?」
濡れた東條にタオルを渡しながら忍足は聴く。
「ヒクッ・・・徠歌、ちゃんがぁ・・・・・・マネ、ージャー・・辞めて、って・・・嫌だって・・言ったらぁヒクッ、水うっう、かけて・・・・・きてぇ・・・っ・・・ヒクッ・・・」
泣き真似をして忍足に縋る。それを聴いた忍足や鳳、向日は私のところに近寄ってきた。
「永藤先輩ってそういう人だったんですねっ!見損ないましたよっ!」
昨日会ったくらいで私の何を知っているというのやら。っと、そんなことを思っている場合ではないな。
「違うっ!私はやってないっ!」
「何が違うんですか?美姫さん、こんなに泣いているんですよ。」
私が違うと言っても信じやしない。まぁ、分かっていたことか。
「美姫はずーっと軌翠にイジメられて来てんだぜ。それなのにお前までイジメんのかよっ!」
「美姫をイジメた罰を受けてもらわなぁいかんみたいやで?」
じりじりと近付いてくる忍足、向日、鳳。その3人に怯えた表情を出していると良い気味、と言いたげな顔で笑っている東條が目の端に映った。
そういや、景吾や樺地くん、軌翠さん、宍戸、日吉は来ていない。まぁ、どうでもいいことだが。そんなこと考えていると腹に衝撃が走った。
「うっ・・・」
結構痛いな。流石、鍛えていることだけはある。今日は素直に暴行を受けてあげる。だが、明日からは覚悟しておくことだ。
To be continued
11.02.19 up
20.10.09 修正