主のいない棺

面影さえも見えない

もう、かなわないんだね

見せてくれよ、幻影くらい

これがおまえの成れの果てか

無機質に触れた。哀しいほど冷たかった。

こんなものになるくらいなら、死んで帰ってくるほうがましだ

愛しい冷たさは、今や敵の手に

まるで人魚姫のようですね、

そんな風にはさせないから

解っているつもりだった

体温も形も崩れ去る

黒い悪夢


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