拍手礼文


☆雨について

「・・・・雨?」


「?どうしたんだい」


「いや、雨があたったように思えて・・・・」


「最近夕立が多いからね。もしかしたら降ってくるかもしれないね」


「・・・・そうか。それは嫌だな・・・」


「雨が嫌いだったり?」


「そこまで毛嫌うわけではないが、あまり好きではない。
じめじめしているし、帰る時傘から飛び出た鞄が濡れたりする。
後、憂鬱な気分にもなりやすいな」


「あぁ、よくある悩みだね」


「君は嫌いじゃないのかい?」


「俺は、どちらかというと好きだよ。
雨の日独特の匂いや感じ、傘をさして物思いにふけるのも良い。
ただまぁさっき君が言ったように、濡れるのが難点だけれどね」


「そうか、君は雨が好きなのか」


「雨は基本的にそんな悪いものかな。
しとしとと降っている雨は綺麗だし、
色とりどりの傘がならんでいるのを見るのも楽しいし。
雨宿りからの出会い、なんて素敵じゃないか」


「それは素敵だね。
だけれど歩く時傘の分だけ離れなければいけないじゃないか。
傘の距離、雨の音、二人を邪魔するものが二つに増えた」


「その時は・・・・・・相合傘でもすればいい」


「・・・・・その勇気がなければ・・・・・?」


「その時はそれまでさ。
それ以上はないんだろうね。
近づきたかったら近づく、じゃなきゃ到底その二人に未来はないよ」


「近づきたくても近づけない」


「それはそんな自分に酔っているだけだね。
俺は願い下げだ」


「・・・・・・・・・・」


「あ・・・・、ごめん。一方的になりすぎた」


「いや、違う。ただ、君には勝てないなと思って」


「何で」


「話で、というのかな。君が言うのは全部正論だ」


「それは違うよ。
これはただの自論にすぎない。これは俺の意見だ。
そして今さっきまでのは君の意見。
だから君のも正論だし、どこかに居る彼の意見も正論。
だれが正論なんてないんだってこと。
・・・・まぁこれは受け売りだけどね」


「・・・・・・でも納得できる分、それは私にとっての正論になる」


「・・・・それもそうだねぇ」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・、あ」


「ん?どうした」


「思いついたよ。君が反論できない、私の意見」


「何かな?」


「雨が降ると、君といられない。
ここで話をすることができなくなる」


「あ・・・・・・・」


「あ、いやまぁ、自惚れとかではなく私はそう思うだけで」


「・・・・・・・・・」


「どうかしたか?」


「・・・・・・降参。俺もそれは嫌だね」
(君がそう想ってくれてるのは嬉しかったっけれど)


☆3月だけど、雨。でも最近よく雨ふるのよ。
で、またまた、長文失礼しやした。

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