うちの学校に転校生がきた。

季節外れの転校生にクラス中がざわめいた。

正直俺には関係なかったし、どうでもよかったんだ。

転校生は俺と同じ'アオイ'だった。

それとちょっと顔が綺麗で少しつんけんしてるだけ、ただの女子生徒。

彼女は人の心を読む術を知っていると樹が言っていた。


それでも正直興味なんてわかなかったんだ。あの日までは、



 きみに似た茜色の哀愁




あの日はたまたま寝過ごして放課後の教室にカバンを取りに帰ったんだ。

そしたら'アオイ'が居た。

誰もいない教室で窓際に肩を預けながら小さく歌を口ずさんでいた。

何の歌かはわからない、ただ声がとても綺麗だった。



そして俺に気づいた'アオイ'は小さく微笑んだ。

その笑顔はどこか寂しそうで、それでいて綺麗だったんだ。



夕焼けに溶けてしまいそうな横顔に興味を持ったのはそんな茜色の日
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