>>潮風を舐める
人工的に作られた草と小石に囲まれた僕らは、
無機質な愛に包まれていた・・・
「今日の学校どうだった?」
「別にいつもどうりだったよ」
味気のない会話で間を埋める二人。
一緒にいるだけで胸の高鳴りが止まらなかった日々が懐かしい。
僕を見つめる君の瞳には何故か僕が写ってるようには見えない。
なにか別のものが君の心の中に潜んでるようで僕は怒りたくなる。
それじゃあ、そろそろ行くねと腰あげた彼女の手を引っ張って、
キスする気力は今の僕にはない。
僕はこの瞬間を残りの人生で一生後悔し続けるのではないかと思うほど、
不安になったが、目の前を淀みなくながれてる生命にあふれた海を見たら・・・
気分が少し楽になった。
君の後ろ姿をみて少し涙がでた。
途端にしょっぱい海の味が口内に広がる。