>>夜が白銀色に染まる前に







気温がゼロ度を下回ると雨は雪に変わる。

それは水の融点がゼロ度だから?あまり科学は得意ではないので良く分からない。

ほとんどの教科が得意ではないのだが・・・


「今日は雨だから傘もってけよー」


教師であり、同居人の銀八はそう言い残し先に学校に行ってしまった。

いい加減な銀八の言葉が信じられず、テレビをつけると、ちょうど天気予報がやっていた。

天気は曇りのち雨。しかし最低気温がゼロ度を少し下回っている。


「くっそ。雨降るなんて聞いてねぇや」

「ちゃんと天気予報見てないから悪いアル。今日のお姉さんはズバリ言い当てたネ」


ちょうど下校時刻になった時に暗く淀んでいた空は雨を降らした。

そして今ちょうど隣に居るのは恋人の沖田総悟。

天気予報を見なかった所為で傘を忘れてきたようだ。ちなみに私は持ってきた勝ち組である。


「今日の最低気温はゼロ度以下らしいネ」

「何が言いたいんでィ」

「雨は雪になるのヨ」


そっと彼の手を掴んで重ね合わせると、やんわりと握り返される。

そんな感覚がくすぐったくて、同時にポカポカする。

寒さから冷たくなった手は瞬時に温められた。


「銀八に遅くなるって連絡入れて置きなせィ」


最低気温に到達する夜まで今日はずっと一緒。雨が雪に変わるまで。


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