>> 蒼い目が鳴いた本音
「なぁ私が不死身だって、言ったらどうするアルか?」
俺の下で俺を射抜くように見るチャイナの顔に表情はなかった
「お前だったらありえそうでさァ」
その声に意外にも顔を歪めたチャイナ
いきなりなんだってんだ、
'一生愛してやるから安心しろィ'
なんて俺が吐こうとしたとこでチャイナが俺の胸板を押し返した
「.....私、これ以上無理ネ」
突然の事で意味が分からない
「は..?」
「私、ずっとずっと我慢してきたんだ」
チャイナは泣いている
めったに涙なんてながさないこいつが、片手で目を覆いながら
ぼろぼろと涙を流している
「おい、チャイナ...」
「わからないのヨ、愛するって気持ちが」
「何言って、」
ふ、とつい先日前のこいつを思い出す
「沖田、すきよ」
そう言って屈託の無い笑顔で笑ってたこいつの顔が脳裏に浮かぶ
「つらいんだ、沖田が、私に愛をささやく度。私、理解できなくてつらいんだ」
ではなんだ、この目の前の女は俺の事を何とも思ってなかって事なのか?
けどそれ以上の何かがチャイナにはあるような気がした。
「なんでィ、全部俺だけだったって事ですかィ。別によかったんですぜィ?そんなら無理してつき合ってくれなくたって。」
「違ッ、」
俺の淡々とした言葉に今度は違う意味で顔を歪めるチャイナ
本当にわけがわからない。
わかってる、本当はこんなひどいことが言いたかったんじゃないって。
どうした?って聞いてやんなきゃいけないことくらい。
けど、なんとなくどうした?の先を聞くのが怖かった。
俺の服を握りながら、チャイナはぽつぽつと語り始めた。
「私は、不死身ヨ」
「そうかィ」
「死なない変わりに、人を愛するのに制限があるネ」
チャイナの言ってる事は尋常じゃなかったが、こいつも天人。
それくらい特殊なオプションがついてても不思議じゃない。
「だから、なんなんですかィ」
まさかこう返されるとは思ってなかったのだろう。
チャイナは大きなその目をさらに見開いた。
「おまえ、嫌じゃないのか。私はお前の事が好きだ。だけど愛せない、アル」
最後の言葉を言うときチャイナの視線は俺から床へと逸れた。
「だから終わりにしたいんですかィ?それは俺への同情ですかィ?」
チャイナは何も言わない。
「そいつはァ無理な相談でさァ」
その言葉にチャイナは俺をみた。大きな目が再び揺れる。
「馬鹿アルか?」
「そうかもしらねェ。お前が俺をすき、それでいいじゃねーですか」
「......沖田。ごめんヨ」
「いいからもう何も言うな」
そうして俺は震えるチャイナを抱きしめ、その肩口に顔を埋める。
「沖田、すきよ」
その一言に泣きそうになった。
「知ってる。」
そう返すのが精一杯だった。
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※神楽は不死身です←
いずれは死ぬ人間の沖田とは違い、
神楽は人を好きになるのに制限があります。
人間は無限大に人を愛せるが、神楽には
それができない。好きなのに愛はない。
愛か不死身か。すごく暗い。