>> 魚のように痙攣






血が出た。



たとえ、生まれた星が違くとも姿かたちは一緒。

違うのは治癒力と戦闘力。それだけ。


どくどくと血が流れる。

それを塞き止める物も段々と血を吸って重くなってくる。



痛い。


そっと患部を手で押さえる。

横になっていたほうが楽そうだ。

畳の上に寝転がり痛みからの唸り声を小さく上げた。

誰もその声を聞くことはなくて、むっとした。

また浅い眠りに付こうと瞼を閉じたとき、



「薬買ってきやしたぜ」



部屋を空けていた奴が帰って来たようだ。

片手には白いビニル袋をぶら下げて。

声の主に自分でも珍しいと思える感謝の言葉を告げる。

あちらも相当珍しい。横になった私のすぐ側に寄り

汗で張り付いた前髪を払ってくれた。



幾分か成長した身体。

もう何回も経験したこの痛み。

重いからだを持ち上げて薬を飲んだ。



「生理が来るってことは生殖器官は人間と全く一緒って事か」



淡々と告げる目の前の奴をギロリと睨みつけた。

そしてすぐに脇の下に両腕を差し込まれて持ち上げられる。

すぐに危険を察知した。抵抗しようと試みたが、身体が言うことを聞かなかった。



「痛みも忘れるぐらい夢中にさしてやらァ」



憎たらしい言葉に反論することも出来ず、流される。

きっとその言葉の通り、私は身を弓なりに起こして痙攣するのだ。

水から引き揚げられた魚のように、必死に何かを求めるように、痙攣するのだ。


血が出る日は奴が唯一優しくなる日。



(生理なった時は絶対ココ、来ないアル)

(その言葉、何回も聞きやした)


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