>> 裏返った眼球





明るいサーモンピンクの髪、鮮やかな碧い瞳、甲高い声、柔らかい肢体。

すべて、手に入れることが出来たなら、どれだけ幸せだろう。


「なあ、神楽。その目はカラコンかィ?」

「違うアル」


そんな当たり前な事知ってる。


「綺麗だよなァ」


そう呟けば真っ赤に頬を染めて罵倒することも知ってる。


「その瞳が欲しいって言ったら怒りますか、お嬢様」

「……当たり前ヨ」


そうやって眉間に皺を寄せるときは決まって俺の言葉を理解できずに困惑しているとき。

本当はその綺麗な目玉ごとくり抜いてしまいたい。

しかし、そんな事言ってはさらにこいつが困惑してしまう。

又は恐怖から逃げるように俺からも逃げるかもしれない。


「だから、ずっと俺の傍でその目を見せてくれィ」


淡いニュアンスで真意を隠せば、十分である。

“しょうがないから居てやるネ”と照れ隠し。


「一生お前を放さない」


―――ずっとお前は俺のモノ。

大事にするのも、痛めつけるのも俺だけが出来ること。


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