>> 失った欠片は大きすぎて
「じゃー神楽、新八ちょっくら行ってくるからなー俺がいないからって冷蔵庫の中のフルーチェたべないことー。
あとトイレのペーパーは50センチまでだからね」
もーわかったよ銀さん、なんて半ばうっとおしそうに新八と私が銀ちゃんを見送ったのはかれこれ2週間前である。
銀ちゃんは仕事で隣の星に仕事をしにいった。
詳しいことはなにも教えてくれなかったけど、最後銀ちゃんが行く前、
ズラとあったときに銀ちゃんのことを白夜叉って呼んだから多分今回の仕事は戦いの仕事なのかもしれない。
先日ズラのとこを訪ねていったらエリザベスしかいなかったのがいい証拠だ。
別に寂しくないアル。
だって銀ちゃんはちゃんと帰ってくる言ってたネ。
定春もいるし新八だっている。
・・・・・寂しくなんかない。
そんな事を考えてながらさらに3週間が経った。
「銀さんいまどこでなにしてるんだろ。」
新八も銀ちゃんの事を心配するようなセリフが増えた。
それだけじゃなくて最近は私の事も心配してくる。
いつもだったら「おまえは恋する乙女か、いつからおまえらBLになったアルヨ」とか
嫌みの一つもでも言うところを何も言わないからだろうか。
寂しくなんかないっていったアル。
けどそんなの本当は嘘なことを新八はずっと前から知ってたんだと思う。
「神楽ちゃん、ケーキつくろっか」'銀さんが帰ってきたらたべれるように。'ってその言葉に二言返事で賛成した。
(一緒に作るって言ってもほぼ新八が作るのは目に見えてたけど)
――――それからさらに五日後の朝
「帰ったよー。銀さんのおかえりだよー」ってひどくなつかしい声がしたもんだから、
一目散に玄関に駆け寄って銀ちゃんに飛びついた。
「おー神楽ーいい子にしてたかー?」頭をぽんぽんとなでられる、
しがみついた手に力がはいる、すると「そっか、偉かったな」と銀ちゃんは私を抱えたまま中に入った。
(あ!銀さんおかえりなさい!ケーキあるんですよ!)
この3人は固い家族愛のようなもので出来ています。