>> 変わらないもの
変わらないと言われたから、なら変わったほうがよかったの?と問えば
そうじゃない、と言われた。
「おめぇは変わらねぇなぁ」
みんなが落ち着いた、だの顔立ちが大人びただの言われる中で
変わらない僕は一人取り残された気分になる。
けど、
「なーに。みんな根はなんも変わっちゃいねーよ。」
銀さんの視線の先に目をやれば、相変わらず姉上に殴られてる近藤さんや外見は
大人びたけどご飯のおかわりをねだる神楽ちゃん
そして少し背丈の伸びた沖田さんが土方さんと不毛なやり取りをしている。
「そうですね」
「どう変わろうが、お前はお前だ新八」
銀さんの言葉にすこし恥ずかしくなって、沈黙は耐えられないと口を開いた
「そういえば、銀さんは何も変わりませんね」
「ちょ、何それ!銀さん去年からボディーフィット始めたのよ?」
「…知りませんよ。そんなの。だいたい着物で何も見えないじゃないですか」
「…まぁ、あれだ。変わる事が悪い事じゃねぇ、その逆もしかりだ。
本当に変わっちまったやつは、こんなとこにわざわざ来たりしねぇよ」
「そうですね」
あー、これだから青臭い餓鬼は。
銀さんはめんどくさそうに頭を掻いて
ほら、飯食うぞとみんなのとこへ歩き出した。