>> 寒さと、りんごと、微熱と・2





「…ん?誰か川原で寝て…?」

神楽同様 雪にはしゃいで頓所を追い出された 彼、沖田総悟は追い出されたついでに散歩に来ていた。



この雪の中死んでるんではないか、と寝ている(?)人物に近づく総悟。



「あー、こいつはァ旦那んとこのチャイナじゃねぇかィ。なんでこいつこんなとこで死んでんだ?」





元々色の白い肌がこの時ばかりは縁起悪く見える。



「お〜いチャイナァ?」



呼んだところで何の反応も示さない彼女の頬を軽く叩く。

それでもびくともしない彼女を見て徐々に焦りがでてきた。





「…まじかよ」





とりあえず起き上がらせるため神楽を抱きかかえようとした その時

「―なにするネ!」



一瞬にして目を覚ました神楽によって勢いよく投げ飛ばされた。



豪快に氷が割れた。



「つっめて!何しやがんでィクソチャイナ!」

「いきなりなにするアルかぁ!!!」

「こっちの台詞でィ!人がせっかく助けてやろうとしたってぇのに」



「別に頼んでないアル!」

「あぁそうかよ。心配して損したぜィ」



そう言って川からあがった総悟は寒ッと身震いをした。



「おーぉこんなとこで仲良く水浴びかぁ?」



川原の上にはパトカーに乗った土方がいた



「これが水浴びに見えたなら、あんた相当の馬鹿ですぜィ。土方さん」



「うるせ、ほら総悟早く乗れ。チャイナも乗ってくかぁ?」



「わ、私はいいアル」

「いいから乗りな。風邪ひくぜィ」



半ば強引に総悟に腕を引かれ車へと足を進める神楽。





万事屋で停止した車は神楽を下ろして再び走り出した。



「あら神楽ちゃん、しょっぴかれでもしたの?」



一部始終を見てたのか、声がする方を見上げれば銀時が軽く手を振っていた。



「しょっぴかれてないアル!私がサド野郎をしょっぴぃてきたネ」



「ほぉそれは楽しそうで何より。早くうちに入んなぁ〜。風邪引くよ」



"風邪引くぜィ" さっき腕を捕まれた時の総悟の言葉を思い出した。

「……全然楽しくなかったアル」

さっき捕まれた腕を片方の手で握る。

腕が少し熱を持っているのは いま強く握りすぎたせいなのだと言い聞かせた。




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