銀沖+珍宝
俺も大概阿呆だ馬鹿だと土方コノヤローに言われ続けてきたが、俺を上回る大馬鹿野郎は世間にごまんといる。その中でもより優れた馬鹿が今俺の目の前にいるんだから、もしかしたらバカはごまん以上いるんだと思う。
「此方は?」
「珍宝でぇす」
「だ、そうです」
「いやいやいや、旦那………」
「「なに??」」
ハモった。馬鹿二人が見事にハモった。いや、もう旦那が隕石的な何かが落ちてきて頭パカーンなって最悪双子になったとしよう。百歩譲って旦那のチ○ポが腐って落ちて地に生えた奴がコイツなのだとしよう。
それはさておき……
「何で俺がこういう状況になんなきゃなんねぇんですかィ」
こういう状況とはつまりお察しのいい方は見ての通りだが、いやしかしそうそう察して貰っても困る。何が何でもこの状況から逃げ出さなければどう考えても碌でもない事になるのは、目の前の珍宝とかいう奴と、後ろから俺を羽交い絞めにしているチン毛、もとい天パを見れば一目瞭然だ。
イイ事なんてあるハズがねぇ。
「いやいや、イイ事あるって。イイ事」
「もうオッサンとチ○ポに挟まれてイイ事あるなんて公園のベンチの後ろに落ちてるエロビデオくらい大外れでさァ」
「珍宝でェす」
「テメェの名前なんざどうでもいいんですが」
いや、ほんと隕石落ちるなら何でもっと命中させなかったんですか、致死量に至る程に。普段大してやる気のない旦那がこういう時は機敏な動きで後ろからごそごそと俺のベルトに手をかけ始めた。おい、マジですかィ。
目の前にいる珍宝とやらは何やらニヒルな顔で近づいてくるが――――、いや、これ、結構首筋太ぇな。
「――――ってちょっと、旦那!!マジで?!」
「「マジで」」
だからハモるなっつーの!!!
するりとシャツの下から手を差し込んできた旦那にぎょっと振り返っていると、ぐいっと前方から珍宝がのしかかってくる。なんだこの圧迫感!!正直、珍宝の首(?)辺しか視界に入らず、あたふたとしている間に後ろの旦那の手は勝手に人の身体を這い回り始めた。とりあえず珍宝の野郎を押し退けようと旦那と同じ着物を掴むが、これまた旦那とそっくりなのか微塵も動かない。なんだこれ、なんだこのチ○ポ!!
「ちょ、っと旦那、……っ……ぇ、あ?ナニコレ……」
あれ?なんかコイツ…―――。俺は珍宝の首(?)筋に思わず鼻を寄せた。
「イイ匂いする」
「そうでしょう?」
またもや珍宝がドヤ顔で俺を見下ろしてくる。俺は思わず珍宝の首に手を添えると、すんすんと再び匂いを確認する。これ、旦那の髪から臭う甘い香りと同じ…。やはり旦那の分身かチ○ポか何かだろうか。いや、流石に旦那のチ○ポでもこんなイイ匂いはしねぇ。
「いや、銀さんのチ○ポもフローラルだから。ちょっといちご牛乳とかでちゃう仕様だから」
「いや、それ普通に血尿だろィ」
「んだとコラ」
「うっ、……っ、―――」
さっきからぐりぐりぐりと人の乳首をこのチンポ天パ野郎。しかも勝手に頭ん中読みやがって。後ろから好き勝手をしてくる旦那にイライラしてきた俺は、お返しとばかりに目の前にある珍宝の首を抱きしめると、レロリとその首筋を大きく舐めた。
「うおっ、おま」
「ん―――はぁ、ん………」
後ろの旦那に見せつける様に少し身体を起こし、ピチャりピチャりとわざと音を立てなながら珍宝の首の横から上へ舐め上げていく。まぁ、あれだ、巨大チ○ポだな。これ。
「ハァ、沖田くん、ヤラシイ……」
後ろから俺にしがみついていつの間にか俺のシャツを開けさせた肩口に舌を這わせてくる。旦那の硬ぇチ○ポがグリグリと尻に当たると、俺は舌先で感じる珍宝の触感が旦那のソレとリンクし始めたように感じてきた。ハァ、やべぇ……これ、旦那のチ○ポ舐めてるみてぇ…
「ん、はぁ……だんな……」
「珍宝でぇす」
珍宝の首には太めの血管が浮き出ている。それにするりと手を這わすと、ふにふにと柔らかいが弾力のあるその感触がクセになりそうだ。
旦那より少し間延びした声の珍宝の手が、俺の股間をまさぐり始め、目の前にある顔だかチ○ポだかよくわからない旦那がちゅ、ちゅと音を立て俺の首筋に吸い付いてくる。が、珍宝のヒゲが当たってチクチクする…
「んは、ぁ、……ん、やだ……珍、ぽッ……」
「え?何?チ○ポ?」
「ちがっ、……あっ……ん、んふ……ぅ」
「珍宝でぇす」
「―――ん、だか、らっ」
あっさりと下着とズボンは旦那に引き抜かれ、後ろに感じる旦那のチ○ポがずりっずりっと尻の間に擦り付けられる。ぐいと顎を引かれ、後ろに首を傾けると今度は本物の旦那の顔が近付いた。あ、こうやってみたら旦那、かっけぇ……かも。
目の前の珍宝の首を舐め過ぎたからか、んえっと舌を出したまま旦那を振り返ると、そのまま旦那が俺の舌に舌を絡ませてきた。腕を上げ、旦那の後頭部を引き寄せると、首筋から胸へと珍宝のちくちくするヒゲが降りていくのが解る。大きく開いた足が、無意識に珍宝の身体を締め付けてしまう。
「んっ、んっ、や……もうっ、そこばっかりっ」
「んー?誰に言ってんの??どこのこと言ってんのー?」
「珍宝でぇす」
いや、もうお前それしか喋れねぇの……っていうか何も考えられなくなってきた。
「……っう、ぁ、ん……だんなぁっ、」
「何、どれがいいの?」
「う……ぁ、ぁ、だめ、ち、ん……宝っ!!んんッ」
瞬間、下に降りていた珍宝が俺の珍宝にパクリと食いついてきた。思わず前のめりになった俺は珍宝のふわふわの髪の毛を鷲掴む。旦那と同じ、少し張りがあって、それでいて手に吸い付いてくるようなふわふわな天パだ。本当に旦那が二人いるような錯覚に陥る。
「んあ、あっ、ヤダッ……ち…」
「ふぃんほうへふ」
「なぁ、銀さんも仲間に入れてよ」
後ろからグリグリと押し当てていた旦那のチンポが、ずりずりっと俺の尻の間に摺り寄せる。あぁ、だめ。腰が勝手に揺れる。
「あーあ、そんなにソイツにしがみついちゃってさ。そんなにソイツがいいの?」
後ろからクスクスと笑いながら、それでもはっはと乱れた旦那の息が俺の耳に熱い息を吹き込む。なぁ、と言うとピタリとそれを宛てがって腰の動きを止める。モドカシイ、ハヤク……
「ちっ、ちがっ、―――んぁ、アッ、アッ、早くっ」
珍宝の舌先がグリグリと俺の割れ目に舌を差し込んでくる。だめだ、もう前がモタナイ。いや、違う。もっと強い刺激が、欲しい。
早く、と振り返り旦那の髪を引き寄せる。ぐいと覗き込んだ旦那の赤いと合うと、ドクリと振動が跳ねる。やっぱり旦那のこの目が好きなんだ。旦那、旦那が―――欲しい。
「んだよ。珍宝いいだろ?コイツなんでもしてくれるぜ?寂しい夜も―――なぁ?」
なぁ?と下で俺をくわえ込んでいる珍宝を見やると、んべっと口から外した珍宝がのそりと這い上がってきた。すると後ろの旦那が俺の膝を抱えるように持ち上げると、珍宝を跨らせる様に俺を座らせる。え?え?ちょっと、
「な?寂しい夜もこれで安心☆銀さんの銀さんを模した―――」
ぬるりと旦那の手が俺の後ろに指を這わすとゆっくりと腰を下げようとする。ちょっと待て、だって俺は――――
「や、やでィ!!だって……!だって、旦那の方がっ……!!」
イイに決まってんでしょ――――!!!
「っていう夢を見ちまったんだが、やっぱ遠征には寂しいから連れてくか、珍宝」
万事屋の戸をガラリと開けると目の前に何かチ○ポに似た旦那ってゆーか、旦那のチ○ポが二つ並んでいたので
「とりあえず死んでくだせぇ」
と、俺は遠慮なく二週間の遠征に出かける事にした。
end?