独特で面白い。その一言に尽きる作品です。 何かしら感想として文章を書かせて頂こうにも陳腐な羅列しか出て来ず、こうしてほとほと困っている次第です。はい。 つまらないから言葉が出て来ないのではなく、……何と言えば良いでしょうか。黒羽様の世界は私の感覚や語彙では到底表現し得ないのです。 簡単に纏めると、すんなりと受け入れられるようであって、呑み込んだ際に蟠りが残る。そんな印象を私は受けました! 実際はこんな安直な感想ではないですが……。 このような素敵な小説を批評するのは非常に恐れ多いですが、まずは文章で気になったところから述べさせて頂きます。 何処となく童話調な文章は非常に好みで、個人的に変更する必要はないと思いますが、読点での区切りが少々しつこいかなと感じました。 それと、文体がほぼ一人称なのに対し、代名詞ではなく固有名詞で地の文が書かれていたことに少し違和感を感じました。 漢字変換も最初は気になりましたが、逆にこのままの方が合っているのかなと、読了後の感想として私は思います。 あと、所々の台詞も少々長く感じられましたので記させて頂きます。 物語の方ですが、思わず必要以上に感情移入をしてしまう程、現実味に溢れていました。 実在している、幻想も空想もない地に足を付けているかのような登場人物達がそのような臨場感を醸しているのかもしれません。剥き出しの欲は、まさに人間でした。 現代物ということですが、冷静になって考えてみれば有り得ないような描写も少々見受けられました。が、それが物語の世界観に良くあっていて、そのままの方が私は好きです! 最後に気になったとすれば、ガゼルヘッドの登場があまりにも唐突過ぎたような印象を受けたのと、物語の最後ニ頁辺りの文章が少し走っているように感じたことです。 それまでの文章が、伏線拾いも含めてゆったりとしていたからだと私は思います。 あと、タイトルの「ガゼルヘッドと枯れた地球儀」ですが、ガゼルヘッドはそのままなので納得です。枯れた地球儀はいのりさんを指しているのでしょうか。もしユカリさんも指しているならば、繋がりが薄いかなと感じました。 ユカリさんの視点からタイトルを見れば違和感は解消されるのですが、逆にユカリさんがタイトルにないので、深く考える程もやもやが増幅します(笑) 独特な雰囲気に丸呑みされてしまって何を書こうかと色々悩んでしまいましたが、こういう話は大好きです! 以上になります。ここまでご拝読頂き有難うございました! |