Thanx!



お礼テキスト/柳生と仁王と柳生の幼馴染(2014.8/5〜)





ミーンミーンと蝉が鳴いている。

「暑いぜよー・・・」
「におーが暑い暑い煩いから暑いんだよー・・・」
「ちびちゃんだって言っとるじゃろ」

屋上のタンクの陰でだらりと伸びる男女。
一人は仁王雅治、もう一人は柳生の幼馴染である。

「だからちびちゃんって呼ばないでってば」
「おまんはチビなんじゃから問題なか」
「あるよ」
「どこが」
「えーと・・・あー・・・暑いよー」
「暑いぜよー・・・」

暑さで頭をやられたのか先程から全く意味を成さない会話を繰り広げていた。
暑いとかアイス食べたいとか、セミ鳴きすぎとか、暑いとかである。
と、「貴方達やはりここにいましたか!」ふいにバンと屋上の扉が開く。

「おー」
「やっほー」

ぐったりと壁に凭れかかったまま、二人は柳生にひらひらと手を振った。

「おーでもやっほーでもありません!全く、また教室を抜け出して・・・!」
「やぎゅーもサボりかの?歓迎するぜよ」
「サボりではありません、四限目はとっくに終わっていますよ仁王君。これ以上出席に穴を開けたら幾らエスカレーターと言えど高校に上がれなくなりますよ」
「まーまーひろ君」
「貴女もです!また仁王君に唆されたんですか?宿題はきちんと提出したのでしょうね?」
「んー・・・ところでひろ君」

「はい?」見下ろすと、赤く火照った顔が目に入った。

「なんかさっきからすごく頭がクラクラするんだけど風邪かなあ?」
「あー分かる、俺もさっきからそうなんじゃけど夏風邪かのう」
「流行ってるからね」
「流行っとるきのう」

アホな二人の暢気な会話に、肩をワナワナさせていた柳生はとうとう爆発した。
こんな炎天下で水分も取らずにいるなど愚かな行為にも程があるというものだ。

「夏風邪などではありません!今すぐ保健室へ行かなければ!」
「あーちびちゃんずるい、やぎゅーに抱っこされとる」
「へへーいいでしょー」
「そんなことを言っている場合ですか!ほら仁王君、私の肩につかまって下さい」

三人はぎゃあぎゃあ言いながら屋上を出て行った。
ミーンミーンと蝉が鳴いている。
保健室に着いても相変わらずふざける二人に「危うく熱中症になるところだったのですよ!」と柳生の雷が落ちたのは言うまでもない。




拍手ありがとうございました。皆さんも熱中症には気をつけてくださいね。
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