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学校は、どうしてこんなにも課題を一篇に出すのだろうか。


数学のプリントに英語のワーク、国語のはなんだったっけ。




文字通り山積みになったそれたちに目を向けて、離して。そんなことを繰り返して早や10分。

始めから無いに等しい集中力は限界だった。




シャーペンが握られている右手に敷かれたプリントにため息を吐いて、コップを掴む。

机の上ですこし汗をかいていたそれは、ひんやりとした刺激を指先に与えた。





「ため息を吐きたいのはコッチだっつーの」


「なんでこんなに溜めちゃうかなー?」





目の前で教科書やらノートやらをぱらぱらと捲っている幼なじみたちは、そうわたしに冷たい言葉を投げかける。

飲み物と種類の違う冷たさは、わたしの頬を膨らませる。





「一気に出すのが悪いじゃん! なんで2人とも終わってるの?!」





明後日提出のそれたちを丁寧にやっている時間はなく、作業として空欄を埋めていく。それでも一向に終わらないイライラが募る。





「言っておくけど、英語の課題は先週のうちに知らされてたからね」


「国語だって今週の初めだっただろ」





溜めていたわたしが悪いと言わんばかりの言葉と一緒に、奏(そう)はわたしに教科書を突きだす。

あ、この例題を使えばいいのか。

見よう見まねで解いてみると、意外と簡単で次の問題へと目を移す。わたしが眉を顰めたのとほぼ同時で開かれたノートを凝視する。




「この問題は教科書よりこっちが簡単だよ」




詩織(しおり)のノートは字が綺麗でいつも見やすい。奏とは大違いだ。

うんうんと頷き、また、真似て解く。



やっとの思いで埋まった数枚のプリントをクリアファイルにしまい、別の課題を引っ張り出す。

次は、英語。




カリカリとシャーペンを滑らせて、解答を写していく。全く頭に入っていないけど、提出が最優先。


開始時間が遅かったこともあり、ふと時計を見ると既に午後10時を回っていた。





「もう! 終わらない! 明日早く起きて作業する!」


「じゃあ俺はタ行」


「あたしはナ行ねー!」





そのまま泊まっていくであろう幼なじみたちは、わたしのイライラをいとも簡単に飛ばしていく。


このまま終わらなくてもまあいっか、なんて。







ごちゃっと。3周年
(3周年だから3人組、なんて。単純でしょ?)
(2014.10.03.Fri)







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