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パタパタと忙しなく動く上靴の音。
人の名前や笑い声。



教室の、廊下側出入り口付近の席というはそれらの音がよく混ざる。



自分がミキサーの中にいるみたいに、どれが何の音なのかわからなくなる。
けれど、それに不安感は不思議となくむしろ心地よさがある。


そんな音に漏れないように、鞄を開けたりシャープペンに芯を入れたりと、自分の音を混ぜていく。



教室内には、イヤフォンをしたりケータイを触ったりしてこの音たちを聞いていないような人もいる。
勿体ない。



登校して、授業を受けて、部活をして、下校する。



同じような毎日を繰り返す中で、この音だけは毎日違う。










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